スカイラインというブランドは、その昔、輝いていた。
今どきの若者がどう感じるかは別として、私が小学生時代は憧れのクルマで、親にも「スカイラインを買いなさい」などと、進言していたものだ。
まあ、その願いは、ついに叶うことは無かったが・・・
昔話はさておいて。
この度。13代目となるV37スカイラインに、ついに試乗させていただくことができた。
「350GT FOUR HYBRID Type SP」(税込車両本体価格:569万5920円)。
全長4800mm×全幅1820mm×全高1450mmと、もはや「JAPAN」とは言えない、国際サイズのスリーサイズ。
「NISSAN」ではなく、プレミアムブランドの「INFINITI」のエンブレムが、フロントグリルに輝く。
306psを発揮する3.5リッターV6エンジンを縦に積む、FRベースの4輪駆動車。
トランスミッションは7AT。ハイブリッドだけに、JC08モード燃費は17.8km/Lと、排気量を考えると優秀だが、「ハイオクガソリン仕様」である。
欧州プレミアムも視野に入る高価格車だけに、インテリアの質感は極上といえましょう。
やはり特筆すべきは、この「ダイレクトアダプティブステアリング」。
ステアリングはシャフトで繋がっておらず、電気信号で操舵するという、いわゆる「ステアリング・バイ・ワイヤ」。
ただし、電気系統の故障時などは、バックアップモードが作動し、物理的にステアリングシャフトが繋がるという、凝ったしかけなのだ。
このステアリング。将来の完全自動運転を見据えての、設計なのかもしれない。
さて、走り出してみる。
そのステアリングフィール。普通の舗装路を走る限り、一般的なクルマのパワステとの違いは、なかなか見いだせない。
「雪が溶けて凍ったそろばん状の路面」を走らせる機会があったなら、その「キックバックのない操舵力」を、感じることが出来るのかもしれない。
また、パーキングスピードの極低速域で、一瞬だが「ステアリングの手ごたえが抜けるように感じた」ことを、一応記しておこう。
さて、このV37スカイライン。
スタイリングはカッコいいし、ライドフィールも悪くないし、インテリアは上質だ。
だが、その高価格が、私を萎えさせてしまう。
遠くに行ってしまった、初恋の人。もう、手が届かない・・・(涙)