『本土の人間は知らないが、沖縄の人はみんな知っていること―沖縄・米軍基地観光ガイド』
矢部宏治+須田慎太郎、2011、『本土の人間は知らないが、沖縄の人はみんな知っていること―沖縄・米軍基地観光ガイド』、書籍情報社
本書は、『日本はなぜ、「基地」と「原発」を止められないのか』のビジュアル版というか、本書のノベライズ版(活字ばかりにしたという程の意味)が『日本はなぜ、「基地」と「原発」を止められないのか』であるというほうが、正しかろう。出版は本書が2011年であるのに対して、『日本はなぜ、「基地」と「原発」を止められないのか』は2014年である。
私は、あいにくこれまで沖縄に行ったことがなかったが、本書を読むと、戦後、とんでもないことが沖縄で起きていたことが今更ながらに理解できた。構図は天皇の赤化恐怖+マッカーサーの日本統治政策+理念的な国際平和主義が、日本国憲法+日米安保条約を産んだ。日本国憲法を画餅として、実質的には継続的な占領政策=属国化を確立したわけである。一方、米軍が作った日本国憲法であるにもかかわらず、日本の左翼は憲法第9条を中心に護憲の立場を取る。そして、米軍+日本の官僚組織は日米合同委員会+日米地位協定によって、日本の実質的超法規的支配(憲法を超越するということ)を確立する。右翼は本来的に民族主義的で日本民族を継続支配する米軍に反発しなければならないはずが、ごく一部の右翼以外は、利権も絡んで親米反左翼かつ改憲派となった。三すくみ四すくみのまことによく仕組まれたシステムだが、これも、東西冷戦と世界の警察官たる米国の国策が生み出したもの。
本書にあるように、日本に基地を置く実質的な占領政策の継続が、米軍をして、ベトナム戦争を戦わせ、アフガンやイランの現地政府を崩壊させたのはまことに「植民地帝国」ではない「基地帝国」たる米国の宿痾となっていたというのは誠に皮肉なことではある。しかし、我々のできることは限られている。まずは、「主権回復」=米軍基地を追放して、同時に周辺諸国との平和条約を構築するという、安倍政権も護憲野党とも矛盾する困難な道を歩む以外には方法はない。
みなさん、沖縄に行くとき、リゾートに行くのではなく、本書を「地球の歩き方」のように持ちながら、米軍基地巡りをしませんか?わたしも、沖縄に行かなきゃ!
本書は、『日本はなぜ、「基地」と「原発」を止められないのか』のビジュアル版というか、本書のノベライズ版(活字ばかりにしたという程の意味)が『日本はなぜ、「基地」と「原発」を止められないのか』であるというほうが、正しかろう。出版は本書が2011年であるのに対して、『日本はなぜ、「基地」と「原発」を止められないのか』は2014年である。
私は、あいにくこれまで沖縄に行ったことがなかったが、本書を読むと、戦後、とんでもないことが沖縄で起きていたことが今更ながらに理解できた。構図は天皇の赤化恐怖+マッカーサーの日本統治政策+理念的な国際平和主義が、日本国憲法+日米安保条約を産んだ。日本国憲法を画餅として、実質的には継続的な占領政策=属国化を確立したわけである。一方、米軍が作った日本国憲法であるにもかかわらず、日本の左翼は憲法第9条を中心に護憲の立場を取る。そして、米軍+日本の官僚組織は日米合同委員会+日米地位協定によって、日本の実質的超法規的支配(憲法を超越するということ)を確立する。右翼は本来的に民族主義的で日本民族を継続支配する米軍に反発しなければならないはずが、ごく一部の右翼以外は、利権も絡んで親米反左翼かつ改憲派となった。三すくみ四すくみのまことによく仕組まれたシステムだが、これも、東西冷戦と世界の警察官たる米国の国策が生み出したもの。
本書にあるように、日本に基地を置く実質的な占領政策の継続が、米軍をして、ベトナム戦争を戦わせ、アフガンやイランの現地政府を崩壊させたのはまことに「植民地帝国」ではない「基地帝国」たる米国の宿痾となっていたというのは誠に皮肉なことではある。しかし、我々のできることは限られている。まずは、「主権回復」=米軍基地を追放して、同時に周辺諸国との平和条約を構築するという、安倍政権も護憲野党とも矛盾する困難な道を歩む以外には方法はない。
みなさん、沖縄に行くとき、リゾートに行くのではなく、本書を「地球の歩き方」のように持ちながら、米軍基地巡りをしませんか?わたしも、沖縄に行かなきゃ!
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