東京里山農業日誌

東京郊外で仕事のかたわら稲作畑作などをしていましたが、2012年4月に故郷の山口県に拠点を移して同活動をしています。

古い日立製トランジスタラジオWH-901の修理(10/12)

2011年03月08日 | 古ラジオ修理工房

この日立製トランジスタラジオWH-901の修理履歴です。それぞれをクリックしてください。
  修理( 1/12) 修理( 2/12)  修理( 3/12) 修理( 4/12)
  修理( 5/12) 修理( 6/12) 修理( 7/12) 修理( 8/12)
  修理( 9/12)  修理(10/12) 修理(11/12) 修理(12/12)



 前回の調査では、中波の局部発信回路が故障であることが分かりました。その回路付近を徹底的に調査しました。一番考えられたのは局部発信コイルの断線です。発信コイルには細いエナメル線が使われていることが多く、コイルの先端部が緑青で断線していることがよくあります。特に発信コイルの端子に接続されたコイルの先端部分です。この部分は半田付けのペーストのために緑青になることがあります。昔のペーストは緑青が発生しやい酸性でしたので(今のペーストは中性)。

              極細のひげ半田が接触してショートしていた箇所


 局部発信コイルが断線している場合、コイルの道通をテスターで測ると抵抗が無限大になります。しかし、どの箇所を探しても全て抵抗はゼロでした。つまり、局部発信コイルが断線しているのではなくどこかでショートしていることを示します。そこで、どこでショートしているのかと目をこらして基板を探すと、局部発信コイルが極細のひげ半田でショートしているのを発見しました。

      ダイヤル糸を再度かけ直す            ダイヤル板の取り付け
 

 ショートした半田を取り除くと、なんと中波を受信するではありませんか。この日立製トランジスタラジオが中波を受信できない故障の原因は、中波用局部発信コイルのショートでした。故障を直した後、ダイヤル糸を架け直しました。そして、ラジオを元のよう組み上げました。とにかく故障原因が分かってそれを修理できて良かったです。あとは、トラッキング調製をするだけです。このラジオの出荷当時(昭和30年代)はショートしていなかった極細ひげ半田付けが、修理か何かの拍子にショートしてしまったのでしょう。50年ほど前の製造不良か修理不良だったのではないかと思います。

              バリコンを回すプーリーに、ダイヤル糸を架け直す

コメント
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