この松下製トランジスタラジオ-46の修理履歴です。それぞれをクリックしてください。
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修理(5/5)
前回は低周波増幅初段の結合コンデンサを取り替えました。音はだいぶ大きく出るようになりましたがまだ十分ではありませんでした。他にも容量抜けした電解コンデンサがあると考えられました。そこで、再び基板を取り出して怪しいコンデンサに正常な電解コンデンサを接触させる方法で調査しました。容量抜けがあれば音が大きくなるはずです。正常であれば音の大きさは変わらないはずです。
調査の結果、容量抜けの可能性が高い電解コンデンサ2個
すると初段と次段のトランジスタ間の結合コンデンサが少し容量が抜けていました。さらに、次段トランジスタのバイパスコンデンサも容量が抜けていました。特に次段トランジスタのバイパスコンデンサと並列になるよう正常なコンデンサを接触させると、どっと音声が大きくなりました。
外した次段のバイパスコンデンサ バイパスコンデンサの取り付け部
なお、初段トランジスタのバイパスコンデンサは正常でした。このトランジスタラジオは約50年ほど前に製造されたものだと思います。長い間に少しずつ容量が抜けていったようです。電解コンデンサは寿命があるのですね。化学成分である電解質が変質したのか無くなったのでしょう。
外した次段の結合コンデンサ 結合コンデンサの取り付け部
前回とあわせて、合計3個のコンデンサを取り替えました。コンデンサを取り替えるだけで、これだけ劇的に音声がよく出るようになるとは思いませんでした。電解コンデンサは消耗品と考えたほうがいいようです。
前回と合わせて、取り替えた3個の電解コンデンサ
コンデンサを取り替えた後、ラジオの選局ダイヤルを回すと次々に放送局が入りました。大きな音でよく聞こえました。NHK第一放送からニッポン放送まで良く入りました。このラジオの修理は次回、概観を綺麗に磨くことで終了することにしました。
取り替え後の2個のコンデンサ 選局ダイアルを回して受信テスト