仕事や野良仕事の合間に毛糸布を織っています。しかし、まさに七難八苦です。一番の苦行は経糸が切れまくって補修に時間を取られることです。分かってきたのは、経糸は細すぎても太くてもダメなことです。細すぎる経糸は、横糸を強く詰める時に切れてしまいます。太い糸は綜絖の穴をだんだん通らなくなり、伸びてしまうか切れることです。織物を織る時は、経糸が大切であることがよく分かります。切れた経糸を補修しながの織りなので、遅々として毛糸布が出来上がりません。毎日1~2cm位しか織れません。完成するのはいつになるやらです。
経糸の補修跡が目立つ毛糸布、経糸の太さの荒さも目立つ
経糸の太さの違いは織りの粗さに直結します。手紡ぎとは言え、均一に紡ぐことが大切です。1000年以上前の太古の時代、手紡ぎ毛糸で織った毛糸布がどこかの博物館に展示されていないでしょうか。当時は子供の頃から紡いでいたと思います。私の紡ぐ毛糸で作った布より、はるかに精工だったと思います。江戸時代の女性は嫁ぎ先で布が織れように、子供のころから躾けられたようです。良い布を織ることが収入に直結したのです。鶴が布を織った民話「鶴の恩返し」も、ただの空想の伝承ではないのです。
太さがバラバラの経糸 また経糸が切れる 切れるたびに補修
経糸が切れるとすぐに補修しますが、その手作業は大変です。結び目が太いと綜絖の穴を通ることができません。そのため、結び目が小さいと言われるはた結びで継ぎます。指先の細かい作業のためメガネは欠かせません。その時に注意するのは、補修後に糸がたるまないことです。そんなこんなで、完成するのは1ヶ月後になるのではないかと思います。よほど物好きでないと、やっていられない手作業です。
左〇は今にも切れそうな細い経糸、右〇は太い上に一段飛び越しミス