2ヶ月ぶりの田布施農工高校でした。前回は、当高校で飼育されている羊の原毛を洗浄しました。今回、ハンドカーダーとドラムカーダーを使って、洗浄された羊毛を生徒さんにカーディングしてもらいました。そして最後、生徒さんにスピンドルを使った毛糸紡ぎの見学をしてもらいました。
最初、私の方からカーディングの意味や目的などを解説してから、生徒さんにカーディング体験をしてもらいました。途中から、経験豊富で上手なKさんに代わりました。そして、Kさんのイニシアチブでカーディングや毛糸紡ぎを教えていただきました。Kさんありがとうございました。今回も和やかな雰囲気で活動できたと思います。
カーディンクされたた羊毛を、ドラムカーダーから取り外す
前回洗浄した羊毛ですが、わずかに油分が毛に残留していたようでやや硬めの毛質でした。そのため、指先に少し力を入れないと羊毛をほぐすことができませんでした。今回カーディングしなかった残りの羊毛を、再度私が洗浄することにしました。もう少し柔らかい毛質になると思います。
カーディング方法解説 始めに羊毛をほぐす カーディングする生徒さん
ハンドカーダーの次に、ドラムカーダーによるカーディングをしました。これの使い方も、Kさんから生徒さんに教えてもらいました。これを使うと、たくさんの羊毛を早くしかも綺麗にカーディングできます。生徒さん全員に体験してもらいました。
次に、カーディングした羊毛を使って、スピンドルによる糸紡ぎを見学してもらいました。今回は時間がなく見学だけでした。次回10月、スピンドルを使った糸紡ぎを生徒さんに体験してももらう予定です。それが終われば、足踏み糸紡ぎ機を使って糸紡ぎしてもらおうと思います。11月以降は、紡いだ毛糸の染色や織りに入る予定です。
ドラムカーダーを使う生徒さん達 スピンドルを使った毛糸紡ぎ
今年の春に、田布施町のわら細工民具の一つである「ほぼろ」のお試し講習会を実施しました。残念ながら、その後予定していた本番の講習会はコロナ惨禍で中止になりました。「ほぼろ」などのわら細工民具の講習会を開催するには、それなりの量のワラが必要となります。
春に、近所におられるNさんにワラをいただくお願いをしていました。一昨日稲刈りする時、私用にワラを別に取っておいていただきました。台風が来るとのことで、急遽そのワラを我家の倉庫に運び込みました。雨に降れるとワラの質が悪くなるからです。やはり近所に住んでおられるSさんの車に、そのワラを急遽載せて運んでいただきました。ワラの量がこれで十分足りるか分かりませんが一息つきました。Nさん・Sさん共にありがとうございました。助けていただける方が近所にいることは、本当にありがたいことです。
パラパラと振り出した雨の中、ワラを倉庫に運び込む
私用に別に取っていただいたワラは、田んぼの脇に広げてありました。その広げたワラを、掴みやすように束ねました。束ね終わる頃にSさんがやってきました。バラバラと雨が降ってきたので、急いで車に積み込みました。そして、我家の倉庫まで運んでいただきました。倉庫前に車を止めると、倉庫内に広げたビニールシートの上に積みました。積んだワラは、明日にでも横棒に掛けようと思います。とにかく、ワラを入手できて安心しました。ところで、我家の畑に作った一坪田んぼの稲もたわわに実っています。近日中に稲刈りしようと思います。
掴みやすいようにワラを束ねる 束ねた稲ワラ、これを我家に運ぶ
被覆した穴あき黒マルチに、長ネギの苗を植え付けました。去年植え付けた長ネギが、1年の間に1本から数本に分げつしていました。その分げつした長ネギを1本ずつに分けました。その分けた長ネギを1本ずつ一つの穴に植え付けました。今は小さな苗ですが、11月頃には美味しい長ネギに育つことでしょう。今後、暇を見ては小松菜の種まき、ニンニクの植え付けなどもしようと思います。
先日抜いておいた長ネギを、1本ずつに分けて植え付け
ところで、野良仕事をしていると、まだしつこく蚊が襲ってきます。初夏から初秋にかけて、私は腰に蚊取り線香を下げて農作業します。風が吹いている時にはあまり効果が無いように思いますが、風が穏やかな時には煙が私を包むようで蚊が襲ってきません。夏の作業には欠かせない小道具です。なるべくたくさん煙が出るように、蚊取り線香の先端と後端の2ヶ所に火を付けます。農機具を修理する時は、蚊取り線香を4分割します。分割した蚊取り線香を農機具を中心にして4隅に置きます。このようにすると、風がどの方向に吹いても煙が農機具を包むようになります。
腰に付ける蚊取り線香 干していた長ネギ苗 一つの穴に1本の苗
秋の野良仕事は忙しいものです。刻々と秋が暮れて、少しずつ冬の兆しが現れます。秋の野菜作りのスケジュールは1週間刻みです。1週間種まきが遅れると、収穫時期が2週間以上遅れることはざらにあります。春のような余裕はありません。今回はタマネギの苗作りを始めました。数年前にタマネギの苗が売場から消えてしまったことがありました。それ以降必ず毎年のようにタマネギの苗作りをしています。いつも多めに苗を作っているので、友達に苗を差し上げています。
蚊に襲われながらタマネギの苗床に種を蒔く
タマネギの苗作りをする場所を決めると、三本クワで耕します。ついでに生えている草を引き抜きます。そして、馬の鞍のような形になるように土を盛り上げます。続いて、レーキを使って綺麗に整形します。さらに、土をトントン押し付けるように軽く固めます。種は筋まきしますので、平クワの角をつかって線を引くように溝を切ります。その溝にパラパラと種をひねり撒きます。
除草しつつクワで耕す レーキで綺麗に整形 タマネギの種を筋まき
種を蒔き終わると、網の上に置いた土をゆすりながらバラバラと落としました。そして最後に、網にのせた籾殻をゆすりながらバラバラと落としました。10日後には芽が出て、10月下旬には苗を取り植付けすることができると思います。これらの作業中、私の周りには蚊柱が立つ位に蚊が寄ってきました。肌が露出した箇所を刺されまくりです。この地域では、この時期の蚊のことを「秋の落ち蚊」と呼びます。落ち武者になぞらえたのでしょう。それだけ、蚊は必死で刺します。
網の載せた土をパラパラと落とす 籾殻もバラバラと落とす
仕事や野良仕事の合間に毛糸布を織っています。しかし、まさに七難八苦です。一番の苦行は経糸が切れまくって補修に時間を取られることです。分かってきたのは、経糸は細すぎても太くてもダメなことです。細すぎる経糸は、横糸を強く詰める時に切れてしまいます。太い糸は綜絖の穴をだんだん通らなくなり、伸びてしまうか切れることです。織物を織る時は、経糸が大切であることがよく分かります。切れた経糸を補修しながの織りなので、遅々として毛糸布が出来上がりません。毎日1~2cm位しか織れません。完成するのはいつになるやらです。
経糸の補修跡が目立つ毛糸布、経糸の太さの荒さも目立つ
経糸の太さの違いは織りの粗さに直結します。手紡ぎとは言え、均一に紡ぐことが大切です。1000年以上前の太古の時代、手紡ぎ毛糸で織った毛糸布がどこかの博物館に展示されていないでしょうか。当時は子供の頃から紡いでいたと思います。私の紡ぐ毛糸で作った布より、はるかに精工だったと思います。江戸時代の女性は嫁ぎ先で布が織れように、子供のころから躾けられたようです。良い布を織ることが収入に直結したのです。鶴が布を織った民話「鶴の恩返し」も、ただの空想の伝承ではないのです。
太さがバラバラの経糸 また経糸が切れる 切れるたびに補修
経糸が切れるとすぐに補修しますが、その手作業は大変です。結び目が太いと綜絖の穴を通ることができません。そのため、結び目が小さいと言われるはた結びで継ぎます。指先の細かい作業のためメガネは欠かせません。その時に注意するのは、補修後に糸がたるまないことです。そんなこんなで、完成するのは1ヶ月後になるのではないかと思います。よほど物好きでないと、やっていられない手作業です。
左〇は今にも切れそうな細い経糸、右〇は太い上に一段飛び越しミス
長雨かと思ったら時々晴れるようになりました。背が3m以上になったサトウモロコシが、空に向かって穂が出始めました。今年はサトウモロコシがよく成長しています。茎もだいぶ太くなりました。穂が茶色に熟す頃、茎には甘い砂糖が溜まります。茎の皮を剥いで口に入れると、甘みを楽しむことができます。昭和30年位前まで、この田布施や平生そして上関ではよく栽培されていました。砂糖を手に入れることができなかった時代、このサトウモロコシを栽培して砂糖の代わりにしたようです。瀬戸内海周辺ではサトウキビと呼ばれていたようです。子供のおやつにもされたようです。しかし今、この甘さを知っているのは60歳以上の方ではないかと思います。
空に向かって突き刺すように伸びるサトウモロコシの穂
他の雑穀も穂が出始めました。今年は食用稗が大きな穂を出しています。食用ヒエはもっぱら関東以北の寒い地域で栽培されます。寒さでお米ができない地域です。バサバサして美味しくありませんが、寒さや飢饉に強い食料です。その昔、売るためにお米を作り、自分たちが生きるためにヒエを作ったそうです。食用ヒエと同じような雑穀に、アワとキビがあります。この二つはそれぞれ、アワオコシやキビだんごとして有名です。ですが、田布施のような温暖な気候の地域では栽培は難しいです。
大きな穂が出た食用ヒエ 変わった形のシコクビエの穂
他の雑穀も穂が出ています。シコクビエとアマランサスです。シコクビエは、四国や関東以北の山間地域で作られてきました。麦や米のように一度に収穫できず、だらだらと穂が出ます。長期にわたって収穫できるため、やはり飢饉対策のための雑穀です。アマランサスは近年に南米から入ってきた新しい種類の雑穀です。粒がとても小さいです。炒ると実がはぜる特徴があります。食用ヒエ,シコクビエ,アワ,キビなどはスズメなどの食害にあいます。しかし、アマランサスはあまりに粒が小さいためスズメなどの被害がありません。
巨大なアマランサスの穂、この中に極小の種が無数にある
9月になって1週間、まだまだ暑い日が続きます。秋は農作業を急がなければなりません。春は種まきが一ヶ月程度遅れても大丈夫ですが、秋は正確に種まきをしなければなりません。晩秋になってからでは手遅れです。今回は、畑を耕して畝を作って黒マルチをしました。そして、私がよく食べるわけぎを植え付けました。今後は、タマネギの種まき、長ネギの植え付け、白菜、大根、小松菜などの種まきが待っています。さらに、10月末予定の小麦の種まきの準備をしなければなりません。光陰矢の如しの初秋です。
耕し黒マルチを被覆した畝にわけぎを植え付け
わけぎを植え付ける前に丁寧に畑を耕運しました。先日耕運したのですが、その後に雨が降ったため再度耕運し直しました。耕運が終わると、三本クワで鞍型に畝を作りました。次に、レーキを使って畝を綺麗に整えました。これらの作業は種まき前や植え替え時にするいつもの農作業です。空が雨模様でしたので、急いで作業しました。
耕運機で耕す 三本クワで畝作り レーキで畝を整える
畝を作り終えると、穴あき黒マルチを被せました。たまたまですが、被覆途中に黒マルチが足りないことが分かりました。すぐさま近所の園芸店に行って黒マルチを購入しました。黒マルチを張り終わると、わけぎの古い枯れた皮を剥ぎました。古い皮を剥ぐと芽がよく出るようです。2週間ほどすれば芽が出ることでしょう。そして、10月には美味しいわけぎの葉を食べることができると思います。わけぎの植え付けが終わったため、次は長ネギ、ニンニクなどの植え付けをしようと思います。そろそろタマネギの種をまいて苗作りしなけばなりません。忙しい秋の野良仕事です。
二つの畝に黒マルチを被覆 わけぎの古い枯れた皮を剥ぐ
田布施町の名産の一つにイチジクがあります。地域交流館にはたくさんのイチジクが並んでいます。交流館併設のカフェスペースでは、イチジクアイスやイチジクdarakeを食べることができます。
我家では、自家消費用としてイチジクを栽培しています。そのイチジクが収穫時期を迎えました。枝に並ぶように実がなっています。今日は2個収穫しました。今後は1個/日収穫できると思います。イチジクの樹の周りは甘い香りが漂っています。実にかぶりつくと、トロリとした甘みが口内に広がります。イチジクは婆様の大好物です。収穫するのは私ですが、ほとんどは婆様が食べてしまいます。
美味しそうな実を二つ収穫、さっそくいただく
昔我家にイチジクがありました。たくさん実りましたが、小さく甘みも足りませんでした。私が今栽培している品種は、日本で最も多く栽培されているドーフィンです。改良された品種のようで、実は大きく、甘みも最高です。ただし欠点が一つあります。幹に虫が入るのです。節の中に潜んで害を与えます。この虫を退治しないと枯れてしまいます。実を全て収穫し終わると、幹に潜む害虫(カミキリムシ)を退治をしようと思います。
色づき始めた実 枝に2個の実 実が数珠つなぎ
織機に経糸を張り終わり、横糸の染色も終わりました。織りに入る前にCADを使って、染色した横糸の配置や模様や寸法について大まかに確認をしました。下図において下から上に向かって織っていきます。疑似的な亀甲模様です。色の配置は同じ色が隣り合わせにならないようします。数学の塗りつぶし問題で言えば、最低4色あれば隣り合うことはありません。今回の織りには7色使いますので条件を満たしています。ただ、織るにあたって各色の横糸に2本のシャトルが必要です。そのため、14本のシャトルが必要になります。そんなに多くのシャトルを持っていないため、シャトルを購入しようか自作しようか迷っています。※図の数字は、経糸や横糸の本数
CADで、織りの大まかな模様,配置,寸法などを確認
基本的に、同時に三本の横糸を通しながら織ります。どの位置で横糸をターンするかなど決めました。そして、いよいよ織りに入りました。横糸にする毛糸をかせくりに掛けた後、二つに分割してそれぞれ2個のシャトルに巻きました。手持ちのシャトルの数が少ないので、とりあえず、2色(黄色,青色)の横糸を4個のシャトルに巻きました。
かせくりからシャトルに シャトルを横糸に通す 切れてしまった経糸
織りに入りましたが、さっそく困ったことがおきました。経糸の一本が切れたのです。こう早く切れるとは!横糸を詰めようと綜絖を強く横糸に当てた時に切れました。力の入れ方が強かったのでしょう。七難八苦のうちの一難がやってきたようです。織り始め早々に困ったことです。切れてしまった経糸は、繋いで織りを継続するつもりです。これからも経糸が切れるか伸びるかすると思います。毛糸布が出来上がるのは10月になりそうです。来年はぜひ細い毛糸を紡いで、双子にした毛糸を経糸にしようと思います。
矢印から織り始め 織り始め、毛糸だけに模様が荒いかな
我家は栗の収穫が最盛期に入りました。つい1週間ほど前は数えるほどの栗でしたが、今は数え切れません。早朝と仕事から帰った時にすぐ、栗の木の下に向かいます。すると、栗がたくさん落ちています。腰をかがめて拾うのが面倒なほどですし、イガの栗を取り出すのも疲れます。さらに蚊の大群に襲われるのであせります。収穫した後、すぐに虫食いの栗を取り除きます。そして、洗って拭いて箱詰めしました。親が私に送ってくれたように、今度は私から息子夫婦へ、そして家内の二ヶ所に送りました。
たわわに実った美味しそうな栗、我家の秋の訪れ
ところで、栗の収穫を急ぐには理由があります。それは、イノシシが栗を狙ってやって来るからです。遅れて収穫に行くと、地面に栗が無いことがあります。栗は栄養価が高いので大好きなのでしょう。夜に栗の落下を待つのか、地面に浅く穴を掘って作ったイノシシの寝床?があります。
イノシシは危険な獣ですので、鉢合わせしないように気を付けています。そのような場合は、譲った方がよさそうです。我家周辺の生き物の順位は、イノシシが頂点です。次に人間、続いて、タヌキ,キツネ,テン,ネズミ,カエルなどと、続きます。
地面に落ちたイガと栗 送るため栗を箱に入れる
織機に経糸を張り終わり、今回で横糸の染色が終わりました。去年は薄く染色したため、色と色の境がぼんやりしていました。今年は一転して濃く染めてみました。どの毛糸も、田布施農工高校が飼われている羊の毛を100%使って手紡ぎしました。まだまだ手紡ぎ素人ですので、毛糸の太さはバラバラです。頭の中には色の配置と模様のデザインはあるのですが、織りに入る前にパソコンのCADを使って出来上がりイメージを確認しようと思います。それが終われば、ひたすら織りの苦行に入ろうと思います。
七色に染めた手紡ぎ毛糸(右端は無染色)
今回染色した横糸は、黄色と紅色です。共に紅花を使って染色しました。紅花は何度も使っているため難なく染色しました。なお、黄色はよく染まりますが、紅色は染まりにくいようです。同じ動物性繊維である絹はよく染まるのに不思議です。さらに綿もよく染まります。なぜ毛糸が染まりにくいのか分かりません。何かが足りないのだと思います。ですが、薄い紅色に染まったので良しとしました。
ところで、緑色に染まる山野草はないものでしょうか。緑色には染まるのですが、しばらくすると脱色するものばかりです。以前藍染めしていた時に濃い緑が出たことがあったのですが再現できていません。たかが山野草ですが、とても奥深いと思います。
黄色と紅色成分を分別 毛糸を黄色に染色 紅色の成分を抽出
9月になりましたが、相変わらずの猛暑のため秋になった感覚が全くありません。でも、じきに涼しくなると思われるため、秋の種まきなどの準備を始めました。今回は、収穫しなかった長ネギを苗にするために畑から抜きました。いわゆる干しネギにして畑に植え替えるつもりです。長ネギを抜くと、耕運機で畑を耕しました。今後、この畑に穴あけ黒マルチを被覆します。その黒マルチに長ネギ、ニンニク、分葱などを植え付けようと思います。その作業が終わると、タマネギの苗作りなどの作業に入ります。秋は短いため、今後はてきぱきと野良仕事をこなす必要があります。
畑に残した長ネギを抜くと、耕運機で丁寧に耕す
畑に残した長ネギは初夏までは1本ネギでしたが、この夏までに分げつをしました。その分げつした長ネギを畑から次々に抜きました。抜いた長ネギは天日乾燥します。そして、新たに耕した畑に植え直します。晩秋から来年の初夏にかけて美味しい長ネギを食べることができそうです。
腰を下ろして長ネギを抜く 抜いた長ネギを天日乾燥
織機に経糸を張り終わり、織りの準備ができました。しかしながら、手紡ぎでしかも単糸を経糸にしたためにいろいろ苦労しています。通常の織機、例えばカランコ織機は二つの綜絖と一つの筬があります。必ず筬側から織り始めます。ところが、リジット織機は綜絖と筬が一体化しています。そのため、下画像のA側とB側からどちらから織り始めてもかまいません(A側から織るのが普通ですが)。私の経糸は単糸であるために、どうしても経糸が絡みつきがちです。そのリスクを少しでも減らすため、今回はA側に経糸を巻いてからB側から織ってみることにしました。綜絖の前後の動きがB側の方が少ないため、経糸が絡むリスクが減ると考えたからです。
経糸を張り終えて、織りの準備が完了した織機
綜絖に通した経糸ですが、縦スリットに通したままでした。そのため、縦スリットに通した経糸二本のうち一本を綜絖穴に通し直ししました。そのため、経糸計64本を綜絖穴に通し直ししました。最後に経糸を8本ずつ束ねて、その16束を巻き軸にかけてテンションを掛けました。
1縦スリットの2本 綜絖穴に経糸を通す 16束に分けた経糸
巻き軸を回して経糸にテンションを掛けると、シャトルが通しやすいか試しました。シャトルはスッと通りました。ですが、予想した通り隣あう経糸同士が干渉しました。しかし、絡みつくほどの干渉ではなかったため安心しました。薄黄色の横糸4本を試しに織ってみました。すべての横糸の染色が終われば、いよいよ七難八苦の織りの始まりです。
16束に分けた経糸にテンション シャトルがスッと通ることを確認
甜菜(サトウダイコン)を栽培しましたが、暖かい山口県ではなかなか育ちません。秋に種まきをして育ったのは1株だけでした。この太株を砂糖作りに使ってしまうと、種子を取ることができません。そのため、たった一つの太株を大切に育てて、今回やっとその太株から種子を取ることができました。この秋に今回採種した種を何粒か蒔こうと思います。春になって太った株をたくさん収穫できれば、砂糖作りをしてみようと思います。ただ、甜菜の主産地は寒い北海道です。どうすればこの山口県でうまく栽培できるでしょうか。
花が散って約1ヶ月後の甜菜の種子
ところで、種子を採取した甜菜の太株は異形の形をしています。イボのように四方八方に枝が出ています。7月にその枝の先端に花が小さな白い咲きました。その花が散った後に種ができたようです。花の数だけ種ができたのですが、とても種の形には見えません。しわしわの小さな粒状の種が付いていました。ゴミ粒のようにも見えるその種を、枝からこそげ取りました。
最後まで残った1株 枝部分を刈り取り 種が付いた枝
採種した種子を10月に種まきしようと思います。冬の間に育って初夏に根が膨らみます。その太株をすりおろして絞ります。したたり落ちた液を煮つめると砂糖が残るようです。まだ、試していませんが、どんな砂糖ができるのでしょう。砂糖モロコシは水飴状の砂糖が取れます。砂糖大根はサトウキビのような固形の黒砂糖ができるのでしょうか。来年の初夏に試してみたいと思っています。
枝から種をこそげ落とす 収穫したたくさんの種子
次に、手紡ぎ毛糸を紫色に染めました。「紫」と呼ばれる山野草の根を使うと、紫色に染めることができることを以前から知っていました。その乾燥した根を通販で購入できました。初めての色の山野草染料です。染め方がさっぱり分かりませんが、袋にヒントが描かれていました。この染料はアルコールによく溶けるとのこと。たまたま電子部品を洗浄する無水アルコールがありました。そこで、小さな瓶に紫の根のかけらをいくつか入れ、続いてアルコールを入れました。すると、すぐに紫色に変色し始めました。このまま一昼夜置くと、アルコールはさらに濃い紫色になっていました。
山野草紫の根を使って紫色に染めた手紡ぎ毛糸
紫と呼ばれる野草はどこかで見かけたことがあるような、とても目立たない野草です。いつか苗を購入して育ててみたいと思います。さて、紫の乾燥した根に含まれている染料は、アルコールだけでなく水にも溶けるようです。そのため、紫の根を煮出してもよいようです。たまたま無水アルコールを持っていたため、説明に書かれていた通りにアルコールを使いました。
紫根の欠片を瓶に 無水アルコールを入れる 紫色になったアルコール
続いて、紫色の染料が溶けた無水アルコールに水を入れて希薄しました。そして、染めたい毛糸を浸しました。媒染剤として、ホットケーキを作る時に余ったジュウソウを使いました。アルコールから取り出した毛糸を、ジュウソウを溶かした水に入れました。藍や紅花染めは何度か重ね染めしますが、紫は一度で綺麗に染まりました。比較的染色が容易な山野草染料ではないかと思います。
アルコールの中に毛糸を浸す 最後にジュウソウ液に浸す