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負の言葉と向き合う

2011年03月08日 | 教育ノート
 去年と同じように、卒業生の「一言集」を学校報に載せる計画を立てている。

 始めたときに「B面の思い出」と洒落たタイトルをつけたのだが、
 http://blog.goo.ne.jp/spring25-4/e/eba53cd03e671bf30147c4d3a7805e9b

 今年は、もっとひねって「思い出のB面」である(どこがひねってるんかい!)

 同じ設問をぶつけてみたら、まあ似たような答が返ってくるのだが、ちょいと気にしてみたい文章もなかにはある。

 「学校に来て、一番にがてな時間はいつ?」という質問である。
 不得意な教科や諸活動が出てくるのは当然、予想通りといっていいのだが、こんなことを書いた子どもがいた。

 一時間目。理由は、今日がまだ始まったばかりだと思うからです。

 似たような回答が複数あった。
 書いた子どもたちを思い浮かべると、何か取り立てて大きな問題を抱えているというわけではない。考えてみるに、やはりこれは今どきの小学生(まあ高学年でしょうが)なら誰でも書きそうなことかもしれない。

 そういう負のエネルギーを撒き散らすとすれば問題なのだが、ぼそっとつぶやく程度であれば、それはそれとして見守ったほうがいいという思いがある。

 例えば「学校は楽しいですか」といったアンケートには低い評価をつける子が、数パーセントあってもそれは仕方ないのではないか。
 そういえば、名古屋での研修会のときにパネリストのお一人が、「一定の数値を越えているアンケートの結果を、100パーセントに近づけようとすると、その努力は弊害になる」といった内容のことを口にされた。深く肯いたものだ。

 目くじらを立てて対策を練るより、今度その子にあったらどんな言葉をかけてみようかと考えた方が、楽しい。直接こんな言葉は使わないが、心の中はこんな調子で煽ってみる。

 始まりが一番苦手なら、時の経過はもうすでに君の味方である。
 君は書写の好きな言葉を書くという学習で、「金曜日」と書いたっけなあ…。好きな金曜に向かって時は流れていくのか。
 良くなる一方の一日、一週間を過ごせる学校なんて、素晴らしいことじゃないか。羨ましいなあ。