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年度初日に語る

2013年04月01日 | 教育ノート
 新年度初日。
 午後からの初の職員会議で,冒頭の時間30分ほど使って話をした。
 今までこんな時間をかけて話したことはなかったが,2月に堀裕嗣さんの『教師力ピラミッド』を読み,これを利用してスタート時の話をできないかとずっと考えていて,少し時間を割いてもらうことにした。
 春休み中に簡単なPPTも作った。

 「教職という仕事を見つめ,いつ年間遂行していくために」と題して,中味は大きく三つ。

 ◆学校,教師という存在
 ◆教師力ピラミッド
 ◆地域にある価値


 本県は新規採用者が非常に少ない年が10年以上続いているので,いわば年配の教員だらけの職場になっているところが圧倒的に多い。
 よく言えば安定しているとも言えるが,現在の学校が置かれている状況に関して「頭ではわかっていても…」という言動になっている傾向が確かにある。

 その意識はどれだけ講話をしても安易に変わるものではない。結局何かしらのアクションを通して実感できたこと(それが肯定的,否定的に関わらず)の積み重ねでしかないと思う。

 しかし,目的や方向を明示,確認しておくことは,やはり年度初めの一歩目の大切さだと思う。

 そこで,ふだん考えていること,書籍から学んだこととして,上の三つを挙げてみた。
 
 内容としては「教師力ピラミッド」に中心を置いたが,前後の二つもそれと絡んで大きな意味を持っている。

 ◆学校,教師という存在
 ここでのキーワードは「信頼」,そして「愛情」。
 なんだか目いっぱいの精神論になってしまった。教職としての長い期間,技術にこだわってきた自分が正面からこれを口にするのは,何か到着点が見えて焦っているのかなあ,という気持ちが湧かないわけではない。
 ただそれ以上に,困難な現場における教師の言動の意味づけをしっかりしたいと感じていることが大きい。


 ◆地域にある価値
 あまりに当然,あまりに普通のことであるが,それだけに素通りしていっているような姿を感じることがある。
 教科書に掲げられているような一般的,共通項的な事項のみでは子どもの「学び」が保障できるだろうか。
 教室に降ろされたそうしたソフトを「解凍」するような営みを,もっと私たちが習慣化するべきだろう。


 短時間で内容を盛り込みすぎたと反省している。
 しかしまず自分がこの一歩目の踏み出しを忘れず,今日以降を乗り切っていきたい。