すぷりんぐぶろぐ

桜と絵本と豆乳と

旧さ,堅さからの脱却

2013年04月13日 | 読書
 自分は教職という仕事の何に力を注いできたかと顧みたとき、「校内研修」は間違いなくかなり上位にランクされると思う。
 本県教員の年齢層のいびつさということもあり、確か勤務三校目、三十歳になったばかりのときに研究主任という役割が回ってきた。翌年に公開研を控えていた。

 中身はともかく面白かったなあと振り返られる。5年間同一校でその役目を担ったが、若さもあったがたぶんその時が一番エネルギッシュに働けた記憶がある。時代の風も吹いていた。

 『笑顔と対話があふれる校内研修』(石川晋・大野睦仁 学事出版)

 さて、この新著を読んでつくづく感じるのは、自分の旧い体質である。
 今までの研修会参加や読書などによって、書かれてある内容についてはだいたいわかる。体験していることも少なくない。
 ただ、それを最近の勤務校で取り入れられるようにしてきたか、というとその評価は正直3割どまりだ。

 総じてみると、結構似ていることはしてきている。
 通信活動しかり、付箋等を使った協議しかり、ストップモーション検討、ミニ講座、そして研究提案準備や推進手法など…それでもなお自分が旧いと思わされるのは、それらの手の広げ方における根本的な姿勢の自然さ、柔らかさを著者お二人から強く感じるゆえだろう。

 そして、継続しきれないままにある意味苛立っている自分の堅さも突き付けられる。

 最初にマーカーで引いた文章は、P11にあるこの部分だった。

 互いの「異質性」を理解し、「越境」を認め合う職場づくりが、最終的な「同僚性」「一体感」を生むのではと考えていたのです。

 ここがこの本の核となっている部分だろう。同様の文章は後半にも記されている。
 そしておそらくこの部分は、研修づくりだけではなく、授業づくり、子どもたちとの学びづくりと軌を一にしているのは間違いない。
 学びは自分の中に成立するものだが、学びは自分だけのためにあるものではないという思想だ。

 ここに記されている、教師の新しい学びのスタイルは間違いなく有益だろう。
 今まで自分に出来たことを大事にしつつ深めるという構えで、あとは若干出来る範囲を広げるために、二、三手を掛けられそうなことに挑戦してみようと思う。