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教育目標を調べ?なおす

2013年04月03日 | 読書
 本校の教育目標は、少し変わっている。
 いわゆる児童向けのスローガンをそのまま使う形である。

 「にこにこ」「きびきび」「どんどん」…昭和60年度に提示された言葉が引き継がれているのだ。

 昨年着任した者としては安易に手をつけられない歴史がある。
 それを生かして、またそれに付加してという姿勢で臨むのが妥当だろう(付加した文言についてはさておいて)。


 二年目の今年、始業式で使うネタ探しとして、そもそもこの三つの畳語の意味は…とふと気になり、久しぶりに『擬音・擬態語辞典』(講談社)を開いてみた。

 始業式の話ネタには結局使わないことにするが、調べたら結構面白いと感じたので、メモとして残しておく。

 「にこにこ」~人がうれしそうに微笑んでいる様子。

 類義語として「にこ」「にこっ」「にこり」との比較ができる。
 当然なことではあるが、今さらながらこの意味に納得する。

 「にこにこ」は、微笑みが反復されたり長く続いたりする


 「きびきび」~動作や態度などに、むだがなく引き締まって、生き生きしている様子

 古くからある「きびし」の語根を重ねて出来たと考えられ、それとの比較から導き出されたこの記述は、言葉の歴史的背景というものを考えさせられた。

 「きびきび」は近代的な感覚を表わす語と言える。


 「どんどん」~物事が停滞せず勢いに乗って進行する様子

 「どん」はもともと音から派生したものだろうから、よく使われているが、この比較はいろいろな場合に当てはめてみると、面白い解釈ができるのではないか。

 「どんどん」が意志の有無にかかわらないのに対して、「どしどし」は意志をもって積極的に推し進める様子。


 こう考えてみると、「にこにこ」「きびきび」は、そのまま意味を用いて適用できるが、「どんどん」はちょっと弱い気もする。
 しかしまた「どしどし」ではどこか語感が悪い。ここはドンドンと押していくイメージを強調するとすれば、それもまた可だろうという結論に達した。

 「どんどん」という語のカットには「おそ松くん」(!)が使われ、チビ太(!)がドアを強く思いきりたたく様子が描かれている。
 
 ノックするという動作は、確かに積極的ないい姿としてうつる。

 微笑みかけ、無駄なく動いて、誰かの胸をノックできるような日常を作っていこう。

 きれい過ぎるまとめになったか。