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憧れの非功利的な知性

2013年08月01日 | 雑記帳
 再びラジオデイズの放送から。大瀧詠一を師匠と慕う内田樹、平川克美らが大瀧氏のスタジオ兼自宅を訪れて雑談?している。かなりコアな話だが、随所に知性を感じさせられる。典型的なのが書棚に様々な分野の本が並んでいることについて語る箇所。大瀧氏は「CIAに後れをとってはいけない」と語って笑った。


 もちろんそれは冗談だろうが、そこで知識をいつでも「間髪入れずに」引き出してくることの重要性が語られる。何がどこにあるかを自分で把握するために、多くの本にはたくさん付箋が貼られている。そして全部を見渡せる場所に置くという。階層的に整理するのではなく、横に這うイメージで知識が広がっていく。


 連想で知識を広げる、つなげるという見方は昔からあったが、あまり奨励されてはいない。拡散的にならざるをえないので、授業として考えたときも扱いにくいことは確かだ。しかしこれこそ訓練が必要なのかもしれない。常に集中、整理整頓された体系に馴らされると、想定自体が小さくなってしまうのではないか。


 「作品」というものは、分量が決まっていたり、締切があったりするものだという発言にも驚いた。考えてみれば確かにその通り。自分の思考や表現を作品にしようと思えば、避けては通れないことだが、それを嫌う人がいる。これはちょっとした驚きだ。「非功利的な知性」…まさに憧れの世界、ずっと遠くにある。