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煌言2~自己を問う場の衰退

2016年01月02日 | 読書
☆現代に最も必要な要素は、(略)「自己評価・自己吟味能力」である。これを欠いた「自己教育力」は、「自己」そのものの質を問わず、ただその結果に表れる独創性や独自性のみが重視されるだけで終わる。
 安彦忠彦『新学力観と基礎学力』(明治図書)


 国の審議会委員も務めた安彦氏の、およそ20年前の言が実際のカリキュラムや教育現場に現在生かされているかというと、少し心許ない。

 特に「『自己』そのものの質」という観点での、実践や評価は甘くなっているのではないか。
 おそらくは現代社会、企業等が求める人物像の刷り込みが影響しているし、それはまた、教師自身が自己を問う場の衰退という傾向に、まっすぐに結びついてしまっている。