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煌言10~挫折の権利を奪った

2016年01月12日 | 読書
☆戦後の人権教育はとんでもない迷路にはまりこんでしまっているのである。すべてを平等にすること、美しい言葉を散りばめることは、じつは子どもたちから「挫折の権利」を奪うという重大な「人権侵害」にほかならないことに気づかなかったのである。
 小西正雄『「戦後民主主義」と教育~呪縛を解く』(明治図書)


 この逆説めいた激論は、次の文章で心にストンと落ちる人も多いだろう。
 「挫折体験こそは、他者の人権を守るという意識を培う上で必須の条件なのである。」

 否定、拒否、叱責、落胆、絶望、…そうした行為や心情を体験せず、つまり自らの弱さを心底感じとれない者が、差別されている人たちにどこまで共感できるか。

 教育は単純ではいけないし、もっともっと多方面から、ある意味で闇の部分も含めて検討されるべきだろう。特に学校は変な磨かれ方をされてしまった。