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煌言38~それゆえ、理念を

2016年03月10日 | 読書
☆「テストは子どもの実力の一面を明らかにできるに過ぎない」ということは、よく分かっている。であるが、同じように「子どもの実力を計る客観的指標としては優れている」ことも分かっている。テストに代わるものを創り出すというのは、“理念”としては美しい感じがするが、“事実”としては天文学的な時間と労力を要する。
 伴一孝『子どもに力をつける基礎・基本の徹底システム』(明治図書)


 笑顔を見せて撫でてやることはきっと犬や猫にも通用する評価であるが、100点といった数字での評価で喜ぶのは人間だけだ、というようなことを言ったのは、伴先生ではなかったか。
 妙に納得したことを覚えている。
 ペーパーテストと点数による評価は同義ではないが、評価する側、される側に明確に示されることは特徴だ。

 しかし、根本には何のための評価かという問題が横たわっている。
 一歩突っ込み、誰のための評価かとも重なる。

 数字が明確なことはわかる。
 それゆえ数字が表す客観的指標を分析し、役立たせようとすることは、自ら理念を持たなければ、何者かによって利用されるだけとも言えるのである。