すぷりんぐぶろぐ

桜と絵本と豆乳と

煌言47~苦さを噛み締める

2016年03月25日 | 読書
☆「(跳び箱を)全員とばせられる」というのは、誰にでもできることなのである。しかしそれを人前で言えるまでには、やはり、A・Bの方法でもできない子どもをどうしたかという、一つ一つの仕事の積み重ねが必要なのである。
 向山洋一『斎藤喜博を追って』(昌平社)


 この初版本の発刊された79年4月に採用となった。そしてその月のこの本とめぐり会った。
 「全員」という言葉は、仲間とサークルを始めたときのキーワードであった。
 そしてその事を語るとき、常にこの一節が念頭にあった。

 時が過ぎ、とび箱に限らず、いくつかのことで全員達成させる技法を身に付けた自分だが、明確に「人前で言える」までの積み重ねを続けてきたかと問われれば、心許ない現実だなと正直に寂しさを感じている。

 もっと場を求めるべきだったという反省は、何の足しにもならない。

 ただ、その苦さを噛み締めている同輩は結構いるだろうことは記しておこう。