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かくして最後の式辞は…

2016年03月16日 | 教育ノート
 素晴らしい卒業式だった。
 手前味噌にはなるが、鍛えられた六年生の作法や態度は文句がなかったし、呼びかけ、歌も小学校としては高いレベルで満足できるものだった。
 自分の仕事は証書授与と式辞である。
 もはや10回目。
 しかし最後であるので、文章は完全書き下ろし(笑)である。練習時からスムーズに読めた気がする。

 出だしはこんなふうに考えた。

 「春」という季節を表す言葉は、なにをもとに「はる」と言うようになったか、三つの説があります。
 一つは皆さんも想像できるように、天気がよいという意味の「晴れる」から。
 二つ目として、温かくなり、草や木の芽が、ぴんと「はる」という意味から。
 そして、三つ目は何かというと、田畑、田んぼや畑を「はる」…これはちょっと難しい言葉ですが、開墾する、切り開くという意味で、「ほる」ということに近いのかもしれません。

 五十名の卒業生が旅立つ季節は「春」。
 晴れ晴れとした天気のなかを、気持ちをぴんと張って、そしてこの後の中学校生活を、切り開いていく…その門出の一日を迎えることができました。


 我ながら、なかなかの出来ではないか。
 語源ネタはよく使ってきたが、「はる」は初めてである。卒業式にはふさわしい展開だと考えた。

 子どもたちの成長や活躍を称えた後に、激励の一言となるが、今回はなっなんと「スマップ」ネタである。
 年明けの解散騒動はともかく、今回の卒業生の生まれ年にあの「世界で一つの花」が生まれ、ヒットしたことから取り上げてみようと思い立った。

 よく言われた「№1とオンリーワン」の違いに少し触れながら、オンリーワンであっても努力なしに出来ないことを語った。

 そして、その締め括りは次のような文章とした。

 ただ「努力」は、必ずしも身を結ぶとは限りません。いつか話した「努力のつぼ」という話に似ています。
 この先も、せっかく頑張ったのに…と思うことの方が多いのかもしれません。しかし、それは無駄ではないのです。

 「世界に一つだけの花」をうたったスマップのリーダー、中居正広さんがこんなことを言っています。

 「努力は、成功は保証しないけれど、成長は保証する」



 少し補足しつつ、もう一度中居くんの言葉を繰り返し、来賓、保護者へのお礼を述べて結びとした。

 聞き手として非常に優秀な六年生だったので、少しは伝わったかなと思う。


 「スマップネタでくるとは…」「あの歌は…」と、式後に職員に話題にしてもらえたことも嬉しい。

  かくして最後の式辞を終えることとなった。