『現代、野蛮人入門』(松尾スズキ 角川SSC新書)
松尾の演劇を直接見たことはない。様々な媒体の情報や本人が出演する映画やテレビで想像するのみだが、この新書を読んで、ああそうだろうなと思うことがたくさんあった。幼少期から他者と安易に交わることができない、ウケをねらって周囲を笑わせたりするが、疎外感も強く感じている。それゆえ俯瞰者である。
俯瞰者としてのキーワードは「偽善」である。「やさしい偽善のすすめ」「偽善の目的は『自己肯定』と『世界平和』」といった小見出しが示すように、行動論理としての偽善を積極的に認め、自信を持って居直っている。そのうえで「自由の本質」は「野蛮」にあることを様々な例を引き述べている。この言葉は秀逸だ。
◆心の中に、楳図かずおを。
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何も破天荒なことを奨励しているわけではない。しかし、誰しも心にある野蛮性に正直である時間があっていいということだ。それは怠惰であったり、逆に猛烈であったりするわけだが、強烈に管理が進む世の中とのすり合わせが実際には難しい。もしストレスに覆われたら、この言葉を思い出してみよう。
◆軽くうつ。くらいが、この先の人間の基本的な塩梅。
松尾の演劇を直接見たことはない。様々な媒体の情報や本人が出演する映画やテレビで想像するのみだが、この新書を読んで、ああそうだろうなと思うことがたくさんあった。幼少期から他者と安易に交わることができない、ウケをねらって周囲を笑わせたりするが、疎外感も強く感じている。それゆえ俯瞰者である。
俯瞰者としてのキーワードは「偽善」である。「やさしい偽善のすすめ」「偽善の目的は『自己肯定』と『世界平和』」といった小見出しが示すように、行動論理としての偽善を積極的に認め、自信を持って居直っている。そのうえで「自由の本質」は「野蛮」にあることを様々な例を引き述べている。この言葉は秀逸だ。
◆心の中に、楳図かずおを。
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何も破天荒なことを奨励しているわけではない。しかし、誰しも心にある野蛮性に正直である時間があっていいということだ。それは怠惰であったり、逆に猛烈であったりするわけだが、強烈に管理が進む世の中とのすり合わせが実際には難しい。もしストレスに覆われたら、この言葉を思い出してみよう。
◆軽くうつ。くらいが、この先の人間の基本的な塩梅。