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崖っぷちに追い込まれて

2018年04月06日 | 雑記帳
 先週、「里山資本主義」で著名な藻谷浩介氏(日本総研主席研究員)が来町し、講演された。様子のSNSアップは控えてほしい旨のアナウンスもあり、当ブログには言語事項(笑)しか残していなかった。しかし新聞紙上にも載ったし、一週間経過し記憶の保持も難しくなったので、限定的な感想をアップしておこうと思う。



 主催者側?の記した演題は「ソトの巻き込み方」であった。講師はのっけからそれについて「『ソトの巻き込み方』と言っている時点でずれている」と挑発的だった。つまりは「足元」の強調に他ならない。もちろん、講師とて「ソト」の重要性を認識していることに違いないが、出発点が見据えられなければならない。


 その意味で「若者が戻らない地域の共通点」として挙げた(たしか)6つの点は肝に銘ずるべきだろう。特に初めの2点は自省が必要だ。「無いもの探し、悪者探しが日課」「親が子供に『この町はダメだ』と言う」。傍観者的な物言いのレベルを越え、在住者自体が人を寄せ付けない言動を、おそらく無意識でしている。


 我が県全体を見渡してもその傾向があるから、かの将来予測統計ではないか。ふるさと教育や郷土愛を掲げアピールはするわりに、その実、個人の嗜好や家々の現実をみれば、今もって中央志向、都会羨望の眼差しを捨てきれない。そういう発想や思考の積み重ねを素直に認め、振り回されない意識をより強固にしたい。


 藻谷氏が繰り返した「秋田の人は傲慢だ」は、結局「自分で自分の首を絞めているのが分からない」の言い換えか。生活保障や向上と、コミュニティや自治体との関連を当事者感覚で捉えられない、つまり不平不満ばかり並べ、責任を他に押し付ける体質が周囲を巻き込み、崖っぷちへ追い込んでいる…犯人は誰か。