講師 黒川が語る
今回は「労働に関する一般常識」にて出題範囲とされている「労働関係調整法」
について取り上げてみたいと思います。
学習はまだ先になると思いますが、決して複雑な知識ではないのでこの際、
大枠を掴んで頂ければと思います。
さて「労働関係調整法」とは、労働関係の当事者間(会社側vs労働者側という
イメージ)において争議行為が発生・発生するおそれのある際に、その解決の
道筋を定めた法律です。
労働者には3つの権利、「団結権」「団体交渉権」「団体行動権」(と公民で
習ったのを覚えていますか?)が憲法上認められていますが、「争議行為」は
そのうちの「団体行動権」として、団体交渉が決裂した・成立しない際に再び
交渉のテーブルに着かせるために認められています。
ところでその「争議行為」、ストライキのイメージが強いのですが、使用者側から
の対抗手段としてロックアウト(事業所からの締め出し)をすること等も認め
られています。争議行為の目的はあくまで両者歩みよって交渉を再開させる
こと(妥結すること)なので、使用者側からもパンチが加えられるのです。
さて、労働者の権利として自由に争議行為に及ぶことができるはずなの
ですが、市民生活に影響を与える公共事業の場合は少なくとも10日前までに
労働委員会と厚生労働大臣・都道府県知事のいずれかに争議行為を行う旨、
通知せよとされています。なお、それ以外の事業の場合は、争議行為発生後、
直ちに通知することとされています。
実は先日、勤務先の会社宛に中央労働委員会(労働委員会の上部組織。詳しくは
労働組合法で)より労働組合側より10日後に争議行為を行う通知があった、
との連絡が入り大騒ぎになりました(勤務先は創業以来、ストは未経験です。
なお、結果的に組合側より一方的に回避してきたのですが…)。
また争議行為が長期化する等して当事者間での解決が困難な場合、労働関係
調整法では1)斡旋、2)調停、3)仲裁の3つの調整手段を用意しています。
1)「斡旋」(あっせん)は労働委員会より指名を受けた斡旋員が双方に対し
「斡旋案」を提示し解決を促します。
2)「仲裁」はその争議に対して設けられた労働者・使用者・公益の代表者から
なる「調停委員会」が「調停案」を双方に提示します。この「調停案」の受諾は
自由とされています。
3)「仲裁」は主に公益の代表者からなる「仲裁委員会」が「仲裁案」を作成、
(調停案とは異なり)双方はこれに従わなければならなくなります(裁判の判決
のように、一定の遵守義務が生じます)。
収益を上げたい使用者側と(収益によって)労働条件をよりよいものにしたい
労働者側、その主張の隔たりは「水と油」とベテランの先生が言っていましたが、
そこをいかに歩み寄った労務管理制度を構築できるのかが社労士の腕の見せ所だとも。
来夏の合格を経ていち早く飛び出しましょう。
今回は「労働に関する一般常識」にて出題範囲とされている「労働関係調整法」
について取り上げてみたいと思います。
学習はまだ先になると思いますが、決して複雑な知識ではないのでこの際、
大枠を掴んで頂ければと思います。
さて「労働関係調整法」とは、労働関係の当事者間(会社側vs労働者側という
イメージ)において争議行為が発生・発生するおそれのある際に、その解決の
道筋を定めた法律です。
労働者には3つの権利、「団結権」「団体交渉権」「団体行動権」(と公民で
習ったのを覚えていますか?)が憲法上認められていますが、「争議行為」は
そのうちの「団体行動権」として、団体交渉が決裂した・成立しない際に再び
交渉のテーブルに着かせるために認められています。
ところでその「争議行為」、ストライキのイメージが強いのですが、使用者側から
の対抗手段としてロックアウト(事業所からの締め出し)をすること等も認め
られています。争議行為の目的はあくまで両者歩みよって交渉を再開させる
こと(妥結すること)なので、使用者側からもパンチが加えられるのです。
さて、労働者の権利として自由に争議行為に及ぶことができるはずなの
ですが、市民生活に影響を与える公共事業の場合は少なくとも10日前までに
労働委員会と厚生労働大臣・都道府県知事のいずれかに争議行為を行う旨、
通知せよとされています。なお、それ以外の事業の場合は、争議行為発生後、
直ちに通知することとされています。
実は先日、勤務先の会社宛に中央労働委員会(労働委員会の上部組織。詳しくは
労働組合法で)より労働組合側より10日後に争議行為を行う通知があった、
との連絡が入り大騒ぎになりました(勤務先は創業以来、ストは未経験です。
なお、結果的に組合側より一方的に回避してきたのですが…)。
また争議行為が長期化する等して当事者間での解決が困難な場合、労働関係
調整法では1)斡旋、2)調停、3)仲裁の3つの調整手段を用意しています。
1)「斡旋」(あっせん)は労働委員会より指名を受けた斡旋員が双方に対し
「斡旋案」を提示し解決を促します。
2)「仲裁」はその争議に対して設けられた労働者・使用者・公益の代表者から
なる「調停委員会」が「調停案」を双方に提示します。この「調停案」の受諾は
自由とされています。
3)「仲裁」は主に公益の代表者からなる「仲裁委員会」が「仲裁案」を作成、
(調停案とは異なり)双方はこれに従わなければならなくなります(裁判の判決
のように、一定の遵守義務が生じます)。
収益を上げたい使用者側と(収益によって)労働条件をよりよいものにしたい
労働者側、その主張の隔たりは「水と油」とベテランの先生が言っていましたが、
そこをいかに歩み寄った労務管理制度を構築できるのかが社労士の腕の見せ所だとも。
来夏の合格を経ていち早く飛び出しましょう。