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今回の冬は2年連続の大雪で、生家のある十日町市の指定観測所5ヶ所の平均積雪深は最高で3mを越え、観測所によっては4mを越えた。
そんな冬季間にする農作業はなくて、屋根の雪下ろし、道踏み、雪かきなんぞをするためだけに独りで逗留することは考えられない。
そこで冬は雪のない宇治の自宅でぬくぬくとしているわけだけれど、本当のところは日本蜜蜂8群、セイヨウミツバチ1群のことが心配で仕方なかった。
私は生家の雪仕事を他人任せだけれど、蜂には一応の越冬対策はしていても、今までいくつかの群を消滅させてしまっている。
今冬は保温対策ばっちり、餓死しないよう越冬のための砂糖水を十分に与えたので、それもばっちりのつもりだった。
ところが、ほぼ4ヶ月振りに帰省してみたら、日本蜜蜂1群が残ったのみで、あとの8群が絶滅していた。
蜜がかなり残っていたのと、死屍累々の様子を見れば、蜜蜂に特有のアカリンダニにやられたとしか考えられなかった。
今まではアカリンダニ対策のメントールも入れていたのに、今冬だけ保温を重視してメントールを入れないでしまった。
新潟県の家畜保健衛生所に連絡したら、何日後かにやってきて、死骸サンプルを持ち帰って調べてくれた。
顕微鏡検査では見つけることはできなかったが、PCR検査でアカリンダニを確認したとの連絡があった。
昨年末12月に南魚沼市で、今年の2月には長岡市で蜜蜂にアカリンダニ被害が発生したということも言っていた。
養蜂の実態調査やアンケート調査などに応えてきたのに、なぜその事実を判明した時点でこちらに教えてくれなかったのか。
そのことを少しきつく言わせてもらったら、今後は連絡するような方向にしたいとかなんとか力なく言っていた。
少しずれてはいるが、南魚沼市と長岡市に挟まれているのが十日町市であれば、連絡さえ貰えば、雪が深かろうがやってきて、遅がけでも対策すれば何群かは助かったかも知れないのだ。
というようなことがあって、1群からの再出発なのだが、ついこの前から探索蜂がやってきたり、分蜂群が見つかったりしている。
1群だけは玉葱ネットで捕獲して、アパート式飼育箱に入れてうまくいった。
金稜辺に集る100匹200匹の小さな群はどうしたものかと調べて、ネットにある通り女王を探したけれど居ないので観察中だ。
とにかく1群が残り、野生の群からの分蜂と思われる1群を捕獲して2群となり、倍増なったのだから再出発は緒に就いた。