これら2つの作品も、一昨日、昨日と同じ会場で一部屋ずつを使ったもの。
最初の、エアリエル ニコラ・ダロ(フランス)は、左奥に見えるシリンダーの圧縮エアーが動力源になっていて、時折緩慢に吊るされた布のお化けが動く。
西洋のお化け=トロル(troll)のイメージは、ゴースト・バスターズやハリー・ポッターで観たけれど、日本人の目からすれば漫画的で迫力がない。
お化け屋敷という見世物小屋を知っている我らから見たら、『ふ〜ん』でしかない。
次の、16本のロープ イリヤ&エミリア・カバコフ(旧ソビエト連邦/アメリカ)は、作家が旧ソ連時代に、自分が属している社会とそこで暮らす人々の人生を記憶するために、人々の声を記録しはじめた・・・とある。
約100個の『ゴミ』とメモの総てを、頭を下げてくぐって(背の低い人の目線の高さになっている)読み進むことなどできにくい。
たまたま、いくつかの『ゴミ』に気を引かれてメモを読むにしても(英語と日本語で書いてある)私は2,3読み、すでにひとつも記憶していない。
独裁者プーチンのロシアから逃れたのではなく、旧ソ連からアメリカへ亡命した作家ペアなのだろうか。
神社の絵馬や七夕飾りの短冊とは似て非なるものだが、徒労との戦いだったのではないか。
100個のメモの一覧表はないのか聞いてみたい、とは、書いている今の時点で思うことだけれど、そのとき学芸員はそばに居なかった。