和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

辻惟雄。

2008-06-22 | Weblog
雨が降っていると、ボンヤリと絵でも見ていたくなります。
そういえば、最近は新書でもきれいな写真で絵が紹介されているのでした。
読みませんが、気になる新書というのがあります。
じつは、山村修著「狐が選んだ入門書」(ちくま新書)に
辻 惟雄の「奇想の系譜」が紹介されているのでした。
紹介されているのに、いつものように私はいまだ読んでいないのでした。

  辻惟雄(つじのぶお)氏の本

 「奇想の系譜」(ちくま学芸文庫)
 「岩佐又兵衛 浮世絵をつくった男の謎」(文春新書)
 「奇想の江戸挿絵」(集英社ヴィジュアル版)
 「日本美術の歴史」(東京大学出版会)これは単行本
 「奇想の図譜」 (ちくま学芸文庫)


 あと私が気になる新書はというと、

 原信田実著「謎解き広重『江戸百』」(集英社ヴィジュアル版)
 磯辺勝著「江戸俳画紀行」(中公新書)


「奇想の江戸挿絵」は、挿絵が並んでいて、私などは、水木しげる氏の妖怪本(もっていないのですが)を見るよりも実感があり、楽しめるのでした。p184には江戸の浮世絵でしょうね。絵の隅で女の人が傘をさしている前で。侍が駕籠からおりて、切り合いの立ち回りが描かれている。背景の余白に文字が斜めに書き込まれておりまして、雨の中を現しているのでした。その斜めに降りそそぐような雨。じゃなくて文字を、切り裂くようにして日本刀での切り合いしている男四人。それを見返り美人のような仕草で見ている女が一人。その女の傘の上にも文字が。
それこそ、私は読みもせずに、チラッと見ただけの新書ですが、何とも印象に残る描きぶりなのでした。そういえば、縦書きの文字というのは、細かければ細かいほど雨にたとえることも出来るのですね。それが斜めに降るように描かれると、なにやらとたんに、絵が動き出してみえます。
コメント
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