和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

新聞を切り抜く。

2009-09-20 | 前書・後書。
徳岡孝夫著「完本 紳士と淑女 1980~2009」を読了。

まえがきに、こうある。

「30年という長い年月、私は休むことなく『紳士と淑女』の材料を探しながら暮らした。雑誌『諸君!』巻頭の7ページに何を書くか?月によって違うが毎月18~20日に〆切りが巡ってくる。その日に備えて、一日も休まずに日本語三紙、英語一紙の新聞を切り抜く。関係のある資料を探す。材料をひねくり回し、ほぼ一週間かけて書き上げる。読み返し、ときには改稿する。〆切りの日が来ると、午後一時には学生アルバイトがJR駅前まで受け取りに来る。落ち合って三階の食堂で厚切りポークカツ二つとビール小瓶一本を注文する。食べ終わったところで原稿の入った封筒を手渡す。『落とすな』『電車の中で居眠りするなよ』・・・・。食堂は横浜市南部の駅前ショッピングモールにある。30年間に私はトンカツを計720皿注文した勘定になる。取りに来る学生アルバイトには男も女もいたが、『お腹いっぱいですから』と厚切りポークカツを辞退した子は、ついに一人もいなかった。」


精選コラムを前にして、毎日切り抜かれた新聞のことを思い。それをもとに書き続けたコラムを通覧したのでした。


そうそう。26年前の1983年10月号には、こんな箇所がありました。

「紳士淑女諸君!これが最後になるかもしれません。なにしろ気象評論家・相楽正俊サンのおっしゃることには『9月10日から15日まで』の間に富士山は大噴火、東京はマグニチュード8だそうですから。覚悟はいいですか?いいとも!」


そして、2009年6月号。

「ガン宣告と前後して、『諸君!』の編集長から電話があった。『やむを得ない事情により、『諸君!』が休刊に決まりました。六月号が最終号です』そうですか、長らくお世話になりました、と言って、私は電話を切った。」
コメント
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