和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

講話及び文範。

2014-09-05 | 前書・後書。
三浦勝也著
「近代日本語と文語文」(勉誠出版)を
とりあえず、パラリ(笑)、
きっかけをつかもうと、
その本文の最後を引用することに。

「二十年ほど前に講談社学術文庫から
『作文講話及び文範』が復刻されたのは、
待望の好企画でしたが、文庫になったのは
前中後編のうち前編の『作文講話』だけで、
中編の『作文便覧』、後編の『文範』は割愛
されました。・・・仏つくって魂入れずという
ものでしょう。それは明治維新以後およそ
半世紀にわたる諸分野の文章の集大成だった
からです。
『作文講話及び文範』が刊行された明治45
(1912)からほぼ百年が経ちました。この
百年に及ぶ日本の文章の歴史は、文語口語を
併せて豊かなものを生み出しましたが、この間
の文章を集大成したものは編まれていません。
文語口語を問わず、各時代や各ジャンル別の
文章が一堂に会したとき、そこに時代を通底
する文章の流れが見えてくるはずです。そして
同時に、私たちの文章がいま、どういう姿を
しているかもまざまざと見えてくるにちがい
ありません。このあたりで『平成の文範出でよ』
と望んでもおかしくないではありませんか。
近代の文語文を知ろうとすることは、結局
私たちのたどり着いた現代の文章そのものに
ついてもう一度考えてみることにほかならないのです。」(p254)


う~ん。この新刊のおかげをもちまして、
古本の「作文講話及び文範」に、
(特に読まずじまいだった「文範」の箇所へ)
もう一度チャレンジしてみたくなりました。

本棚の目立つところに、置いてはあるものの
埃をかぶったままになっているあの本(笑)。
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