和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

九の坂。

2019-01-18 | 道しるべ
1月16日(水曜日)に、床屋へ行きました(笑)。
同級生がやっているので、話がはずみます。
好きなことを喋ってくるのですが、
葬式の話がはさまります。

そこの床屋の常連のお坊さんがいて、
その坊さんに聞いた話だそうですが、
「九の坂」というのがあるそうです。

たとえば、59歳。69歳。

う~ん。と思いながら帰ってきました。

今日になって、思い出して、
津野海太郎著「最後の読書」(新潮社)の
はじめの方をひらく。

はじまりは鶴見俊輔をとりあげておりました。
そこに鶴見さんの言葉が引用されております。


「  七十に近くなって、
   私は、自分のもうろくに気がついた。  
   これは、深まるばかりで、抜け出るときはない。
   せめて、自分の今のもうろく度を自分で
   知るおぼえをつけたいと思った。    」


こう鶴見俊輔氏の言葉を引用したあとに
津野海太郎氏は、すぐ続けておりました。


「このときかれの正確な満年齢は六十九歳と八か月――。
私も体験があるのでわかるのだが、この年ごろになると、
体力、記憶力、集中力など、心身のおとろえがおそるべき
いきおいで進行し、それまであいまいに対していた老いの到来
――鶴見さんいうところの『自分のもうろく』ぶりに、
いやおうなしに気づかされるをえなくなる。
 ・・・・・
なにしろいちども経験したことのない事態だから、
このさき老いの急坂をどう下ってゆけばいいのか、
さっぱり見当がつかない。その点では、われわれ
凡人にかぎらず、鶴見さんのような度外れに賢い
人だって、なんの変わりもなかったみたい。
 ・・・」(p8~9)



床屋の70代過ぎのお客さんに言わせると、
60代は、まだまだ若く元気なのだそうです(笑)。

コメント (2)
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