何となくですが、今年ネット注文した古本。
芳賀幸四郎著「禅語の茶掛 一行物」(淡交社・昭和48年)。
そのはじまりは
「禅語一行物について」でした。
途中を引用。
「江戸時代になって墨蹟尊重の風がすこぶる高揚し、
ことに大徳寺派禅僧の筆になる一行物が茶室の掛物の
主流をなすようになったことは、かくれもない事実であるが、
この変化をもたらした原因はいったい何であろうか。
その原因は種々あるが、その一つは茶の湯が・・・
大徳寺派の禅と緊密に結びついて発達し、
桃山時代から江戸初期にかけてその大徳寺派に・・
多くの傑僧が輩出し、しかも彼らがみな
利休・古田織部・小堀遠州・千宗旦らと親しく、
かつ自らも茶の湯に深い関心をもつ一流の茶人でもあった
ということである。しかし、これにもまして
大きな原因として、つぎの事情が考えられる。
すなわち江戸時代になって茶の湯がいよいよ普及し、
茶会が頻繁に開催されるようになり、それだけに
掛物に対する需要が増加した。しかし中国伝来の
絵画や墨蹟はもともとその数は多くなく、それに
その大部分は将軍家や大名、あるいは豪商らの占有に
帰していたため、それらに代る掛物の出現が強く
要求されていた。そしていわばその代用品として
登場してきたのが、一つは折からの和様趣味にも
投じた歌切の類であり、もう一つが当時の
大徳寺派の禅僧の書、わけても一行物なのであった。」
(p11)
う~ん。面白いなあ。
一行物という茶室の世界。
日本語の一行の奥深さ(笑)。
ちなみに、64ページまでは
墨蹟鮮やかな掛け軸がそのままに
載っておりまして、それからが
解説となっておりました。
家で味わえる「禅語の茶掛 一行物」。
はい。この「一行物」をひらいていたら、
空想の中、茶室に坐っている自分がいて、
茶掛の世界、茶掛の宇宙へと思い広がり、
身近に、思い浮かんできた詩があります。
蝉 山村暮鳥
わたしの掌には
河がある
ながいおおきな河がある
河と河とのあいだには
山がある
畠がある
たんぼがある
森がある
村がある
町がある
どこかで
蝉がないている
毎年年賀はがきを書くのですが、
自分の字のゾンザイさをまのあたりにします(笑)。
私は字がいつになっても下手。
そう思っているので、この機会に一緒に買った古本はというと、
「教師のためのきれいな字を書く1週間レッスン」(旬報社)
といっても、私は教師ではありません(笑)。
この題名にひかれて購入しました。なんとなく、私でも、
簡単に、きれいな字を書き始められそうな一冊です(笑)。
はい。1月のネット古本購入は何となく注文したのが、
「教師のためのきれいな字」と
「大徳寺派禅僧の筆になる一行物の茶室の掛物」
という組み合わせになりました(笑)。
芳賀幸四郎著「禅語の茶掛 一行物」(淡交社・昭和48年)。
そのはじまりは
「禅語一行物について」でした。
途中を引用。
「江戸時代になって墨蹟尊重の風がすこぶる高揚し、
ことに大徳寺派禅僧の筆になる一行物が茶室の掛物の
主流をなすようになったことは、かくれもない事実であるが、
この変化をもたらした原因はいったい何であろうか。
その原因は種々あるが、その一つは茶の湯が・・・
大徳寺派の禅と緊密に結びついて発達し、
桃山時代から江戸初期にかけてその大徳寺派に・・
多くの傑僧が輩出し、しかも彼らがみな
利休・古田織部・小堀遠州・千宗旦らと親しく、
かつ自らも茶の湯に深い関心をもつ一流の茶人でもあった
ということである。しかし、これにもまして
大きな原因として、つぎの事情が考えられる。
すなわち江戸時代になって茶の湯がいよいよ普及し、
茶会が頻繁に開催されるようになり、それだけに
掛物に対する需要が増加した。しかし中国伝来の
絵画や墨蹟はもともとその数は多くなく、それに
その大部分は将軍家や大名、あるいは豪商らの占有に
帰していたため、それらに代る掛物の出現が強く
要求されていた。そしていわばその代用品として
登場してきたのが、一つは折からの和様趣味にも
投じた歌切の類であり、もう一つが当時の
大徳寺派の禅僧の書、わけても一行物なのであった。」
(p11)
う~ん。面白いなあ。
一行物という茶室の世界。
日本語の一行の奥深さ(笑)。
ちなみに、64ページまでは
墨蹟鮮やかな掛け軸がそのままに
載っておりまして、それからが
解説となっておりました。
家で味わえる「禅語の茶掛 一行物」。
はい。この「一行物」をひらいていたら、
空想の中、茶室に坐っている自分がいて、
茶掛の世界、茶掛の宇宙へと思い広がり、
身近に、思い浮かんできた詩があります。
蝉 山村暮鳥
わたしの掌には
河がある
ながいおおきな河がある
河と河とのあいだには
山がある
畠がある
たんぼがある
森がある
村がある
町がある
どこかで
蝉がないている
毎年年賀はがきを書くのですが、
自分の字のゾンザイさをまのあたりにします(笑)。
私は字がいつになっても下手。
そう思っているので、この機会に一緒に買った古本はというと、
「教師のためのきれいな字を書く1週間レッスン」(旬報社)
といっても、私は教師ではありません(笑)。
この題名にひかれて購入しました。なんとなく、私でも、
簡単に、きれいな字を書き始められそうな一冊です(笑)。
はい。1月のネット古本購入は何となく注文したのが、
「教師のためのきれいな字」と
「大徳寺派禅僧の筆になる一行物の茶室の掛物」
という組み合わせになりました(笑)。