和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

気象庁の呼びかけ。

2020-11-11 | テレビ
たまたま、月刊雑誌Voice12月号の巻末コラムを
読んで感銘しました。

その感銘を、さて、どうブログに書きましょう。
まず、こういうのはどうでしょう。

坪内祐三著「考える人」(新潮社・2006年)の
なかで、坪内氏は考える人の1人に、深代惇郎を
とりあげておりました。そのなかで、

「今の中学・高校の国語(現代国語)の授業方針は
どうなっているのか知りませんが、当時、私の中学、
高校生時代には、国語力をつけるために『天声人語』を
読むことが奨励されていました。・・・・・・」

このあとで、坪内氏は
「それ以後の『天声人語』はろくなものじゃない。」(p125)
として、深代惇郎氏が書いていたコラム『天声人語』を
注目してとりあげていたのでした。

うん。ここに『・・・を読むことが奨励されていました』
とあります。今、奨励したくなるようなコラムを読んだ
ことがありますか?

はい。わたしならば、月刊雑誌Voice12月号の巻末コラムを
おすすめしたい。そこは、渡辺利夫氏が書いておられました。

うん。1ページの短いコラムですから、
全文読んでいただきたいのはやまやまですが、
ここでは、『気象庁が呼びかけている』場面だけを
とりあげて、他の箇所はカットしてみます。

「関東南部を襲った台風に『大型特別警報』の出た頃だった。

『周囲の状況を確認し、避難場所までの移動が危険な場合には
近くの頑丈な建物に移動したり、外に出るのがすでに危険な場合は
建物の二階以上で崖や斜面と反対側の部屋に移動するなど、
少しでも命が助かる可能性が高い行動をとるよう』
気象庁が呼びかけているという、

実にリアルなNHKのニュースである。
実はこの引用、いまウェブを開いているのだが、
10月10日の20時28分の『大型特別警報』についての
ニュースの最後である。三、四分はつづいたであろうか。
そこにいたるまでさまざまな映像を背景に、大変だ大変だ、
を繰り返して最後にこういうのである。

重大な情報だというのであれば、まずはこの引用文の
警報から入って、そのあとで理由についてあれやこれや
を述べればいいと思う。」

はい。その頃に、テレビを見ていて、緊迫感のうちに
的確な気象庁の呼びかけに、うなづいておりました。
それなのに、すっかり忘れておりました。
今回このコラムで、あらためて活字で
気象庁の呼びかけを、反芻することができてよかった。

うん。ここだけじゃ、コラムとして物足りませんか?
もう少し、渡辺利夫氏のコラムから引用しておくことします。

「ニュースをみていると、例えば日本学術会議問題では、
『きちんとした説明が求められている』がやけに多い。
『更なる追及』とあったり、『より一層の究明』であったり、
私はまず使いそうにない。いろいろ述べて、最後に
『いずれにせよ』といって結論らしきことを語る、
というのもなんだか説得力がない。」

はい。12月号の巻末コラムは、題して「報道の日本語」。



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