「京都みちくさの景色」(京都新聞社・1999年)は
文・中村勝/写真・甲斐扶佐義。はい。もちろん安い古本。
パラリとひらくと、はじめのほうに
「うさぎ ウサギ」と題する箇所があるので引用。
はじまりから
「昔の京都の中学校では、学校行事でウサギ狩りがあった。
一中の卒業生である松田道雄さんが
『ウサギ狩りちゅうの、ありませんでしたか? あのころ』
というと、一商の天野忠さんが
『ああ、学校から連れて行かれました』と応じている。
『行きましたね。京都の近所・・・・
山科だとか北山だとかねえ。下から勢子が声をあげて追いあげるのを、
上で網をはって待っててねえ』
(1980年、本紙連載鼎談『洛洛春秋』・・・)
・・・・・・
松田さんの学校では冬の年中行事で、
朝まだ暗いうちに出発してウサギ狩りに行った。
奥山にえさがなくなって、畑に近い山に移動してくるのを狙うのだが、
50人のクラス全員で1時間か1時間半かかって一山を追い上げても、
一羽も獲物がないこともある。3つか4つの山を狩ると、
もう日は暮れかけていて、学校へ帰って
みんなで食べるウサギ汁はおいしかった、という。
大正時代のおはなしである。
平成のいま、『ウサギ追いしかの山』は童謡の
なかの話だと思っていた・・・・」(p15~16)
へ~。これ大正時代は全国的にあったのでしょうか?
学校でなくても、うさぎ狩りというのはあったのでしょうね。
うん。はじめて知りました。
文章はつづきます。
「数年前、能登半島沖の無人島で放された二つがいのカイウサギが
300羽にまで異常繁殖して話題になった。・・・・
同じ石川県の金沢市で1995年春、カイウサギ20羽が郊外の森に
放される事件が起きたが、こちらは夏までに全滅した。
キツネにやられたのだろう、という。・・・・
このカイウサギ、もともとアナウサギと呼ばれる野性の一種を
長い年月かけて飼育し改良したもので、日本には
約450年前に入ってきた外来動物。
現在、150を越える品種があるといい・・・・・ 」(p16)
はい。松田道雄さんや、天野忠さんが生きていらっしゃったら、
近頃の若い者は、ウサギ狩りも知らないと言ったかどうか?