和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

「素晴らしき哉、人生」

2022-12-22 | 古典
新聞は、テレビ欄を覗く楽しみ(笑)。

さてっと、今日の午後1時からNHKBSプレミアムで
映画『素晴らしき哉、人生』(字幕)を放映。
うん。この機会に再見。

ハローウィンは、私にはどうもピンとこない。それなら、
年末年始のこの時期なら、クリスマスが思い浮かびます。

うん。『素晴らしき哉、人生』を録画しておくことに。
ということで、この映画のお話。

瀬戸川猛資著「夢想の研究」(早川書房・1993年)からの引用。

「・・唐突に思い出すのは、フランク・キャプラ監督の
 アメリカ映画『素晴らしき哉、人生!』(’46)である。

 人生に絶望して自殺しかけたジェームズ・スチュアートを、
 天国の見習い天使ヘンリー・トラヴァースが
 クリスマスの晩に救いにやって来て、
 
 《 彼が存在しなかったもうひとつの世界 ≫を見せてやる。
 というストーリーのこの作品は、
 『オズの魔法使』と並び称されるアメリカ・ファンタジー映画の古典である。
 同時にまたこれは、西欧の生んだクリスマス映画の最高傑作でもある。
 ・・・・・

 わたしはかねがねこの映画に感嘆していた。
 なんというか、普通の映画の規格をはずれた『すごさ』を感じるのである。

 とくにラストの30分。このめちゃくちゃなフィナーレは、まったくすごい。
 演出とか演技とか映像とかいったものを超えた何かがある。

 あれはいったい何なのだろう?・・・・
 あれは、クリスマスの祖先たる太古の祭りの熱狂のすごさなのだ。

 時間と次元の混乱。
 クリスマス・プレゼントというとてつもない無償の贈り物。
 古い秩序の崩壊と新しい人生の誕生。

 『素晴らしき哉、人生!』は、
 ≪ 死と再生 ≫の祝祭に捧げられた寓話なのである。」( p186~187 )


はい。この言葉を噛みしめながら、録画して映画を再見することに。
コメント (4)
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