山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

乙女高原周辺のシダとスゲを探索  令和5年6月1日

2023年06月04日 | 山に咲く花
 ミヤマスミレが咲く頃に乙女高原周辺で見かけたヤマヒメワラビと思わしきシダがずっと気になっている。典型的な球形ソーラスを付けていれば判別は容易であるが、まだ早いかも知れない。タニガワスゲやアカンスゲをはじめとするカヤツリグサ科の植物はそろそろ見ごろになっている頃であろうし、午後から乙女高原およびその周辺に散策に行ってみる。


    川岸近くに生えていたスゲ。ヤチボウズになっている。


    これはタニガワスゲであろう。


    果胞の嘴が長くて全体的に細長く見える。


    似ているがちょっと違うのが生えている。こちらはヤチボウズを形成しておらずまばらに生えている。


    雌小穂を見てみると果胞の嘴が短くびっしりと整列している。これはアゼスゲではないかと思う。


    湿地の中には別のスゲが生えていた。テキリスゲに似ているがちょっと違う。


    雌小穂を見てみると果胞は細長く鱗片は黄緑色で果胞より短い。これはオタルスゲで良いのではないだろうか?


    川岸にもまだ結実していないものが生えていた。


    森の中に入って見る。シラネワラビの群生。


    これが気になっていたシダの群生。大きくても手のひらかそれよりも少し大きいくらいの小型のシダ。


    羽片の切れ込みの様子から見てヤマヒメワラビで間違い無さそうである。


    裂片の中間あたりにソーラスが付着している。大きく球形に成長すれば確実であろう。


    出始めたばかりの奇妙なシダがあった。


    胞子穂を伸ばし、小さな葉を展開している。


    これはヒメハナワラビであろう。八ヶ岳でしかほとんどお目にかかったことが無かったがここにはそれなりの個体数が生育していた。


    場所を移動して別の湿地を見に行ってみる。アカンスゲが結実している。


    この湿地にはそれなりの個体数が生育しているが、他の場所ではほとんど見かけない。


    結実したアカンスゲ


    まだ花の咲いた状態のスゲ。おそらくオタルスゲではないかと思う。


    ニョイスミレが咲いていた。


    湿地の中に咲くクリンソウ

 昨年見かけたオタルスゲらしきものは同定に自信が無かったが、今年見直してみるとやはりオタルスゲで間違い無さそうである。ヤマヒメワラビも間違いないであろうが、時間が許すなら6月中かあるいは7月初めに再訪できればと思っている。キバナウツギも見に行く予定だったが林道ゲートが閉鎖されておりあきらめて撤退した。

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西沢渓谷散策  令和5年5月31日

2023年06月03日 | 渓谷
 西沢渓谷の目的のひとつだったコハクウンボクは渓谷遊歩道に入る前の道沿いで多く見ることが出来る。コハクウンボクを存分に楽しんだ後に渓谷遊歩道に入り西沢渓谷を周回してみる。いちばん奥にある七つ釜五段の滝のところで遊歩道が崩落して通行不能になっており、現在その手前に迂回路が付けられている。この迂回路を歩くのは今回が初めてである。


    吊り橋から見上げる鶏冠山。天候いまいちで山頂に雲がかかっている。


    ホテイシダとヤシャビシャク。ホテイシダはまだソーラスを付けておらず、ヤシャビシャクは結実している。


    大木に着生したオシャグジデンダ


    これはヒメウツギであろう。


    こちらはウメウツギのはずだがまだ蕾である。


    三段の滝。前日の雨で少し増水している。


    竜神の滝


    これはナンタイシダであろう。この渓谷にはたくさん生育している。


    ミヤマウラボシの群生


    オオクボシダ。いつもの場所で確認したが他にはあまり見つからず。


    ヒメイワトラノオ。あまりたくさんは見かけない。


    ミヤマモミジイチゴであろうが、花はまだ付けていなかった。


    これはカンスゲであろう。やや大型のスゲ。


    もう終わってしまったかと思っていたがまだ果胞が残っていたスルガスゲ


    果胞は丸っこくて先端部が少し外側に曲がる。


    方杖橋。これを渡ると急登になる。


    すぐ下に七つ釜五段の滝下部が見えるが、この先で遊歩道は崩落している。


    通行止めのところから見る七つ釜五段の滝下部


    急登の迂回路


    咲き残りのアズマシャクナゲ


    この階段を昇ると遊歩道に出る。


    遊歩道の橋の上から見る七つ釜五段の滝上部。新緑に囲まれた滝が眩しい。


    トロッコ道の遊歩道を歩き、これにて1周。

 平日なのであまり歩いている人は居らず静かな渓谷歩きだった。ヒメスギランを探したのだが今回は気合が足りず発見出来なかった。時刻は4時半を過ぎ、もう後ろから歩いてくる人は居ないだろうと思ったのだが、2組のハイカーが私の後ろからやって来たのにはちょっと驚いた。何度も歩いている西沢渓谷であるが何度歩いても新鮮な出会いがある。

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咲き始めたコハクウンボク 西沢渓谷  令和5年5月31日

2023年06月02日 | 渓谷
 昨年コハクウンボクを見たくて6月下旬に西沢渓谷を訪れたのだが、既に花は終わってしまって咲き残りのものをわずかに見ただけになってしまった。まだ少し時期が早いのではないかと思うのだが、昨日見たハクウンボクのほうは満開になっていたので、コハクウンボクのほうもそろそろ咲いている頃ではなかと思う。もう少し早く出発するはずだったが午前中の天候がいまひとつで午後には回復して来るらしい。午前10時に西沢渓谷駐車場を出発する。


    駐車場の脇にあるドウダンツツジが満開


    ハクウンボクの花も満開になっていた。


    純白で美しいハクウンボクの花


    ウリハダカエデの花


    黄緑色の花を総状に咲かせるウリハダカエデ


    渓谷沿いに咲くトチノキ


    満開のトチノキ。秋になると丸い実を付ける。


    この白い花はサワフタギ、ないしはタンナサワフタギだと思う。


    コハクウンボクがたくさん生育する場所に到着。


    予想はしていたのだが、花はまだ蕾で少し早かったようである。


    しかし、周辺を探してみると咲き始めているものもあった。


    咲き始めたばかりのコハクウンボクの花


    こちらの木も結構咲いている。


    咲き始めの新鮮な花


    ハクウンボクと同じく純白の花


    別の場所では満開になっている木があった。


    満開のコハクウンボク


    見事にたくさん花を咲かせている。

 少し時期は早かったのだが花の咲いたコハクウンボクにやっとご対面出来た。西沢渓谷にはたくさん生育しているが他の場所ではあまり見かけない稀少な木である。今年こそはと思っていた課題の花だったので、咲いているところを見ることが出来て良かった。

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南アルプスの裾野を花散策  令和5年5月30日

2023年06月02日 | 山に咲く花
 韮崎方面に午前・午後と出張があり、午後4時ごろに仕事が終わった。中途半端な時間ではあるがあまり歩かなくて済む場所ならば花を見て巡れそうである。時間が時間だが、数ヶ所を巡ってみる。


    オニゼンマイの群落


    黒い胞子葉をたくさん出していた。


    林道脇に白い花が落ちている。


    見上げてみるとハクウンボクが満開になっていた。


    純白のハクウンボクの花


    池のほとりに咲いていた白い花


    葉に切れ込みがある。これはカンボクであろう。


    カサスゲであろう。この季節はまだ雄小穂が残っているものを見かけるが大部分は千切れていた。


    少し痛んだ雌小穂。


    いずれは水没してしまう場所。


    本来は水中で育つ水草であろうが、正体はまだ不明。


    イヌタヌキモはまだ少ししか姿を見せていない。


    これから増えてくれることを期待したい。


    まだ咲いていないだろうと思っていたのだがもう咲いていたヒイラギソウ。中心部はまだ咲いていない。


    満開のヒイラギソウ


    こちらは少し痛み始めている。

 大急ぎではあったが薄暗くなるまで花散策し、効率良く巡れたかと思う。周辺の森の中も探索してみたかったのだが時間が足りず、後日時間がとれるようならば歩いてみたいと思う。

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石灰岩地に咲くイワシモツケ 北杜市  令和5年5月28日

2023年06月01日 | 山梨百名山
 伊那市側の南アルプス林道を花散策した帰り道、日没までにはまだ時間があったので石灰岩の露岩がある場所にちょっと立ち寄ってみる。今頃はイワシモツケが満開になっているはずである。そういえば、石灰岩地の伊那側南アルプス林道でも葉を見かけたが花はまだ咲いていなかった。


    ヤマブキソウが咲いている。


    ちらほらと咲いているが数は決して多くは無く、昨年よりも少ない気がする。


    石灰岩地の露岩の上に立つ。下に釜無川が見え、白い花が咲いているのがイワシモツケである。


    満開のイワシモツケ


    この場所は結構個体数がある。


    少し痛んでしまっているが満開のイワシモツケを堪能


    元気なイチョウシダにも出会えた。

 日没までまだ少し時間はあったのだが、本日は十分過ぎるほどに花を見てきたので明るいうちに撤退する。甲府市の駐車場に到着すると一気に睡魔が襲ってきて、1時間ほど爆睡して帰宅となった。

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