昔読んだ小説を再読する場合には、「精読」つまり一言一句咀嚼するように読むに限る。
そういえば、このあいだ日々に新たなる読書で指摘した内容について、訂正すべき点がある。それは、映画版でもちゃんと、原作に忠実な部屋の造りになっていたということである(DVDを見直してみて分かった)。
「午後の曳航」の主人公の少年:登の部屋と母とその愛人の部屋との位置関係は、精読しないことには明らかにならない。冒頭部分ではあまりはっきりしないのだが、決定的に分かるのは、何と145ページ目である。
竜二はふと、隣室との堺壁(さかいかべ)の腰板のところに目をとめた。古風な造りで、その上辺に波形の木彫の枠が走っている。その一個所から、闇のなかへ、ぼんやりと小さな光りがにじんでいる。(注:この穴から登は母と竜二の情交を覗いていたのである)。
「堺壁」とか「腰板」という語の意味を知らないとこれも難しいかも。いずれにせよ、映画化したアメリカ人は、原作をよく読んでいたということだろう。
そういえば、このあいだ日々に新たなる読書で指摘した内容について、訂正すべき点がある。それは、映画版でもちゃんと、原作に忠実な部屋の造りになっていたということである(DVDを見直してみて分かった)。
「午後の曳航」の主人公の少年:登の部屋と母とその愛人の部屋との位置関係は、精読しないことには明らかにならない。冒頭部分ではあまりはっきりしないのだが、決定的に分かるのは、何と145ページ目である。
竜二はふと、隣室との堺壁(さかいかべ)の腰板のところに目をとめた。古風な造りで、その上辺に波形の木彫の枠が走っている。その一個所から、闇のなかへ、ぼんやりと小さな光りがにじんでいる。(注:この穴から登は母と竜二の情交を覗いていたのである)。
「堺壁」とか「腰板」という語の意味を知らないとこれも難しいかも。いずれにせよ、映画化したアメリカ人は、原作をよく読んでいたということだろう。