「反知性主義―アメリカが生んだ「熱病」の正体」森本あんり/著
「これもあまり知られていないことだが、ハーバードは私立ではなく公立として設立された大学である。設立時には植民地議会が四百ポンドの公金を拠出するという議決を行っており、出発点においては行政的にも財政的にも公立大学であった。」(p39)
1636年(マサチューセッツ植民地への入植からわずか6年)に牧師養成を建前上の目的として設立されたハーバード大学は、当初は公立大学だった。
私も、ハーバードが当初公立大学であったことはこの本を読んで初めて知った。
アメリカ社会において、「公立」(州立)か「私立」かということは、相当に重要な問題である。
というのは、伝統的に政府に対する不信が強いということもあるが、「自由」を実現するためには財政的独立性が必須だからである。
こうした観点は、日本では希薄だと思う。
ちなみに、平成14年ころのことだが、某経済官庁と某メガバンクからのMBA合格者はゼロだったらしい。
その理由について、同時期にアメリカにMBA留学した事情通に聞いたところ、アメリカの各大学は、「goverment-sponsored, corporate-sponsored の応募者はMBAにはふさわしくない」という理由で、書類段階で片っ端から落としたようである。
要するに、「自分の学費を他人からの無償資金に頼る人間は、自由独立の経営者たるにふさわしくない」というのが、アメリカ社会の本音だったのである。
「これもあまり知られていないことだが、ハーバードは私立ではなく公立として設立された大学である。設立時には植民地議会が四百ポンドの公金を拠出するという議決を行っており、出発点においては行政的にも財政的にも公立大学であった。」(p39)
1636年(マサチューセッツ植民地への入植からわずか6年)に牧師養成を建前上の目的として設立されたハーバード大学は、当初は公立大学だった。
私も、ハーバードが当初公立大学であったことはこの本を読んで初めて知った。
アメリカ社会において、「公立」(州立)か「私立」かということは、相当に重要な問題である。
というのは、伝統的に政府に対する不信が強いということもあるが、「自由」を実現するためには財政的独立性が必須だからである。
こうした観点は、日本では希薄だと思う。
ちなみに、平成14年ころのことだが、某経済官庁と某メガバンクからのMBA合格者はゼロだったらしい。
その理由について、同時期にアメリカにMBA留学した事情通に聞いたところ、アメリカの各大学は、「goverment-sponsored, corporate-sponsored の応募者はMBAにはふさわしくない」という理由で、書類段階で片っ端から落としたようである。
要するに、「自分の学費を他人からの無償資金に頼る人間は、自由独立の経営者たるにふさわしくない」というのが、アメリカ社会の本音だったのである。