Don't Kill the Earth

地球環境を愛する平凡な一市民が、つれづれなるままに環境問題や日常生活のあれやこれやを綴ったブログです

反知性主義

2020年02月24日 07時45分52秒 | Weblog
反知性主義―アメリカが生んだ「熱病」の正体―森本あんり/著
 「十九世紀に大富豪となった鉄鋼王アンドリュー・カーネギーは、教養や知性をこんな言葉で軽蔑している。大学では、ギリシア語やラテン語のような「インディアンの言葉と同じように何の役にも立たない言語」を学んだり、ツキディデスの『ペロポネソス戦争史』のような「野蛮人同士のとるに足らない争いの詳細」を学んだりするが、みなまったくの浪費である。そんな教育は、学ぶ者に誤った観念を吹き込み、現実生活を嫌うことを教えるだけだから、大学など行かずにさっさと実業界に出たほうがよい。」(p238)

 反知性主義の真骨頂ともいうべき言葉である。
 確かに、カーネギーが、いわゆる「知性的人間」の現実嫌悪・厭世的世界観の問題を指摘した点は鋭いと思う。
 だが、カーネギー的な行き方だと、「勢力圏」をひたすら拡大し続ける2つの大国が、お互い相手に対し恐怖心を抱き、挙句の果てに戦争に突入したという貴重な過去の教訓が、まったく活かせないことになりそうである。
 それを最も必要としている国の一つと思われるのだが・・・。
コメント
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