<知の巨人・トッド語る>”老人支配国家”日本は韓国よりマシだが、中国と同じくらいヤバい
「2022年4月に大統領選を控えるフランスは、マヒ状態に陥っています。右派候補者ばかりで、右派の支持率が合計で約8割を占めているのです。「無秩序」と「革命」の国であるフランスがこれほど右傾化しているのも「老人支配」の現れです。有権者が高齢化しているだけでなく、「老人的思考」が支配的になり、若者も「老人のように考える」ようになってしまったのです。かつての若者は退職後の生活やアパルトマンの購入について思い煩うことなどなかったのに、今はそうではありません。こうした若者の傾向は先進国共通の現象です。」
先進国で「老人支配」の傾向が進んでいるというトッド氏の指摘である。
トッド氏はこれにネガティヴな評価を与えているが、私見では、この見方は「生産(力)至上主義」に傾き過ぎた問題のある思考だと思う。
つまり、「生産(労働)しない人」を無価値とみて排除するのではなく、何も生産しなくても「存在するということだけで尊い人(たち)」を認めるべきだと思うのである。
「老人支配」への批判が行き過ぎて、老人や障害者などの生産労働に従事しない・出来ない人たちを排除するのは間違いだろう。
とはいえ、若いときから老後の心配をしなければならない現代の日本も、老人が強い政治力を持って右傾化するフランスも、やはり宜しくないから、是正策を考える必要がある。
全くの思い付きだが、一定の年齢で生活するエリアを分ける、つまり、行政区分を例えばヤング州とシニア州とに分けて、現役世代とそれ以外の世代とで棲み分けるというのはどうだろう?
これだと、日本とフランスが抱えている問題を一挙に解決できるようにも思うのだが、逆に、国・社会の分断を生むというリスクがあるかもしれない。
「2022年4月に大統領選を控えるフランスは、マヒ状態に陥っています。右派候補者ばかりで、右派の支持率が合計で約8割を占めているのです。「無秩序」と「革命」の国であるフランスがこれほど右傾化しているのも「老人支配」の現れです。有権者が高齢化しているだけでなく、「老人的思考」が支配的になり、若者も「老人のように考える」ようになってしまったのです。かつての若者は退職後の生活やアパルトマンの購入について思い煩うことなどなかったのに、今はそうではありません。こうした若者の傾向は先進国共通の現象です。」
先進国で「老人支配」の傾向が進んでいるというトッド氏の指摘である。
トッド氏はこれにネガティヴな評価を与えているが、私見では、この見方は「生産(力)至上主義」に傾き過ぎた問題のある思考だと思う。
つまり、「生産(労働)しない人」を無価値とみて排除するのではなく、何も生産しなくても「存在するということだけで尊い人(たち)」を認めるべきだと思うのである。
「老人支配」への批判が行き過ぎて、老人や障害者などの生産労働に従事しない・出来ない人たちを排除するのは間違いだろう。
とはいえ、若いときから老後の心配をしなければならない現代の日本も、老人が強い政治力を持って右傾化するフランスも、やはり宜しくないから、是正策を考える必要がある。
全くの思い付きだが、一定の年齢で生活するエリアを分ける、つまり、行政区分を例えばヤング州とシニア州とに分けて、現役世代とそれ以外の世代とで棲み分けるというのはどうだろう?
これだと、日本とフランスが抱えている問題を一挙に解決できるようにも思うのだが、逆に、国・社会の分断を生むというリスクがあるかもしれない。