裁判所は、紛失や誤廃棄をした司法行政文書について、公表することにしたんだね
「令和元年度においては,各裁判所における文書管理に係る点検の結果などにより,22件の紛失等事案が判明した。
これらの紛失等の原因としては,文書の保管が適切に行われておらず紛失したもの,廃棄時の確認を適切に行わなかったことで廃棄対象文書と混在し誤廃棄したものなどがみられた。」
先月中旬のある遺産分割調停での出来事。
出廷したら、調停委員から、「書記官のメモに『書面の提出なし』と記載されています。ですが、相手方からは受領書が提出されています。これはどういうことでしょうか?」という確認があった。
私が一週間前に窓口で提出したと述べたら、書記官が書面を見つけ出し、なんとか「冤罪」を晴らすことが出来た。
とはいえ、書面を見つけるまでに30分以上を費やしたばかりか、裁判官は書面を見ておらず、調停委員も私の手持ちの控えをその場で読むという作業を強いられたのである。
ちなみに、書記官からは、年末の「ファイルの整理」の作業のため提出された書面が「迷子になっていた」という弁解があった。
この出来事に遭遇した依頼者は、「裁判所って、こんな管理体制なんですね」と呆れていたが、どうりで重要書類がよく紛失するわけだ。
当然のことながら、根本的な問題は「紙媒体での保存体制」にある。
だが、これを変えるには相当な年月が必要になりそう。
現状でも、紛失防止策はある。
それは、「複数チェック体制」である。
私が経験した”事件”も、複数の職員がファイルや書面の所在をチェックしていれば容易に防げたはずである。
裏を返すと、現状、(少なくとも東京家裁においては、)ファイルの管理者は書記官一人だけという体制なのだろう。
「令和元年度においては,各裁判所における文書管理に係る点検の結果などにより,22件の紛失等事案が判明した。
これらの紛失等の原因としては,文書の保管が適切に行われておらず紛失したもの,廃棄時の確認を適切に行わなかったことで廃棄対象文書と混在し誤廃棄したものなどがみられた。」
先月中旬のある遺産分割調停での出来事。
出廷したら、調停委員から、「書記官のメモに『書面の提出なし』と記載されています。ですが、相手方からは受領書が提出されています。これはどういうことでしょうか?」という確認があった。
私が一週間前に窓口で提出したと述べたら、書記官が書面を見つけ出し、なんとか「冤罪」を晴らすことが出来た。
とはいえ、書面を見つけるまでに30分以上を費やしたばかりか、裁判官は書面を見ておらず、調停委員も私の手持ちの控えをその場で読むという作業を強いられたのである。
ちなみに、書記官からは、年末の「ファイルの整理」の作業のため提出された書面が「迷子になっていた」という弁解があった。
この出来事に遭遇した依頼者は、「裁判所って、こんな管理体制なんですね」と呆れていたが、どうりで重要書類がよく紛失するわけだ。
当然のことながら、根本的な問題は「紙媒体での保存体制」にある。
だが、これを変えるには相当な年月が必要になりそう。
現状でも、紛失防止策はある。
それは、「複数チェック体制」である。
私が経験した”事件”も、複数の職員がファイルや書面の所在をチェックしていれば容易に防げたはずである。
裏を返すと、現状、(少なくとも東京家裁においては、)ファイルの管理者は書記官一人だけという体制なのだろう。