Don't Kill the Earth

地球環境を愛する平凡な一市民が、つれづれなるままに環境問題や日常生活のあれやこれやを綴ったブログです

分散

2022年01月02日 06時30分11秒 | Weblog
「出世払い」の語源、実は倒産用語だった? 最新の研究から読み解く、江戸時代の倒産制度とは
 「これまで多くの歴史研究で、分散は現在の破産に相当するものとして説明されてきましたが、最近の研究では、2001年に作成された「私的整理ガイドライン」に従った任意整理に近いものとする指摘があります。
 分散は、関係者同士の了解の下で行い、原則として奉行所(裁判所)が関与しない点で、法的倒産処理手続によらずに、多数債権者と債務者の合意により集団的に債権債務を処理する現在の任意整理に相当すると考えられます。任意整理は当事者の同意によって行われるため、もともと決まった方法はありませんが、このガイドラインには法的拘束力はないものの、ガイドラインに沿った任意整理を行うことで債務免除相当額を損失として税務処理できるなど準公的な側面をもつようになります。


 江戸時代の「分散」は、奉行所が関与しないところから、任意整理に近いということが出来る。
 興味深いのは、「分散」においては、多数(多額)債権者の了承によってこれが実現していたという点である。 
 というのも、最近相談が増えている「自然災害による被災者の債務整理に関するガイドライン」を新型コロナウイルス感染症に適用する場合の特則においても、最大の債権者の同意が適用の要件とされているからである。
 ちなみに、私が最近受任した事件では、最大の債権者が同意せず、適用を見送ったというものがある。
 制度があっても、こういう債権者がいると、意味がなくなってしまうのである。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする