老人支配国家 日本の危機 エマニュエル・トッド
「ロシアは、数年前に、核兵器に関する新ドクトリンを打ち出しました。それは、ロシア国家の存在が軍事的に脅かされる場合には、ロシアを脅かす側、つまり欧州や米国の側が通常兵器を用いていても、それに対抗するために戦術核を使うというものです。これは、西側メディアでは、ロシアの攻撃性や拡張主義の現れと受けとめられましたが、この新ドクトリンによって、欧米との通常兵器の戦争が抑止されていると言えます。」(p61~62)
ロシア軍のウクライナ侵攻懸念受け 米国人退避に向けた動き
「CNNテレビなど複数のアメリカメディアは、在ウクライナ・アメリカ大使館が国務省に対して、一部の大使館員や大使館員の家族の国外退避を認めるよう要請したと報じました。」
新ドクトリンの難点は、「ロシア国家の存在が軍事的に脅かされる場合」に当たるかどうかの判断を行うのはロシア大統領、つまり事実上たった一人の人間であり、しかもその判断が必ずしも合理的であるとは限らないという点にあると思う。
つまり、本当の脅威ではないのに、それを脅威と錯覚して、あるいは錯覚を装って、核兵器の使用にゴーサインを出す場面が考えられるのである。
「ロシアは、数年前に、核兵器に関する新ドクトリンを打ち出しました。それは、ロシア国家の存在が軍事的に脅かされる場合には、ロシアを脅かす側、つまり欧州や米国の側が通常兵器を用いていても、それに対抗するために戦術核を使うというものです。これは、西側メディアでは、ロシアの攻撃性や拡張主義の現れと受けとめられましたが、この新ドクトリンによって、欧米との通常兵器の戦争が抑止されていると言えます。」(p61~62)
ロシア軍のウクライナ侵攻懸念受け 米国人退避に向けた動き
「CNNテレビなど複数のアメリカメディアは、在ウクライナ・アメリカ大使館が国務省に対して、一部の大使館員や大使館員の家族の国外退避を認めるよう要請したと報じました。」
新ドクトリンの難点は、「ロシア国家の存在が軍事的に脅かされる場合」に当たるかどうかの判断を行うのはロシア大統領、つまり事実上たった一人の人間であり、しかもその判断が必ずしも合理的であるとは限らないという点にあると思う。
つまり、本当の脅威ではないのに、それを脅威と錯覚して、あるいは錯覚を装って、核兵器の使用にゴーサインを出す場面が考えられるのである。