Don't Kill the Earth

地球環境を愛する平凡な一市民が、つれづれなるままに環境問題や日常生活のあれやこれやを綴ったブログです

パンク状態は続く

2022年09月09日 06時30分46秒 | Weblog
【弁護士雑感】新型コロナウイルスによる裁判への影響(弁護士法人橋下綜合法律事務所)
 「家庭裁判所では、いわゆる「調停」手続きが事件処理の多数を占めることとの関係上、地方裁判所のように事件の審理をテンポアップするということが困難です。・・・
 そのため、家庭裁判所においては現在でも大量の事件を処理しきれておらず、上記のように1コマあたりの時間を短くしながらも次回期日まで2か月以降の間隔を余儀なくされるという事態が続いています。


 10年ほど前、ある離婚訴訟で当事者尋問の申し出をしたところ、裁判官から、「申し訳ありませんが、証拠調べ期日を入れるのが難しい状況です。双方代理人の先生が『反対尋問は不要』というご意見であれば、陳述書だけで判決を書きたいと思いますが、いかがでしょうか?」という電話がかかってきた。
 それまで、離婚訴訟で当事者尋問を行うことなく判決に至るケースを経験したことがなかったので、私はかなり驚いた。
 証拠調べ(尋問)期日を確保するのが物理的に難しいという説明だったのだが、当該事案では、離婚すること自体に争いはなかったこともあり、尋問を行うことなく判決が下された。
 同じころ、弁護士会の研修などで、「東京家裁の家事6部は、事件数が膨大なために『パンク状態』に陥っている」という指摘が、公然と行われるようになった。
 その状況は、今も続いているようで、裁判官は、単独事件だけで250~300件の事件を常時抱えているようである。
 上に引用したのは大阪家裁の実情についての記述と思われるが、都市部の家裁は似たようなものだろう。
 橋下先生も指摘するように、コロナ以降、離婚調停事件の遅延・滞留が著しいので、おそらく、「パンク状態」は今後も続き、さらに深刻化するおそれがある。
 対して、こういう状況に、最高裁はなかなか増員で対応するということをしない(出来ない?)ので悩ましい。
 離婚事件で激しく争われるのは親権と財産分与だが、前者については、共同親権の制度化によって争点として消滅することが期待されていた。
 だが、どうやら自民保守系(統一教会系?)に反対意見が強いらしく、難航している(離婚後の共同親権、法制審が試案取りまとめ延期 自民保守系が反発)。
 「パンク状態」の解消のためには、自民党内の改革も必要なのではないだろうか?
コメント
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