Don't Kill the Earth

地球環境を愛する平凡な一市民が、つれづれなるままに環境問題や日常生活のあれやこれやを綴ったブログです

雨音はドビュッシーの調べ

2022年09月25日 06時30分42秒 | Weblog
富士河口湖ピアノフェスティバル2022 辻井伸行 THE BEST 2022

 野外劇場でのピアノコンサートに行くのは、これが初めてであるが、コンサートだけが目的なのではない。
 私の場合、ハイキング(+温泉&ビール)の後、夕方からコンサートや観劇に行くのが最高の休日の過ごし方なのだが、今回は、野外コンサートの翌朝に山に登ろうと計画していたのである。
 ところが、台風によってこの計画は完全に狂ってしまった。
 というわけで、土砂降りの中、シャトルバスで会場に着いたものの、東京とは違って肌寒く、コンクリの座席にじっとすわっているのも苦痛である。
 しかも、コンサートはなかなか始まらない。
 というのは、車で会場に来る人が多いのに、周辺の駐車場がキャパ不足で混乱に陥っており、開演に間に合わないお客さんが多く発生したためである。
 結局、30分遅れでスタートしたが、雨はいっこうに止む気配がなく、土砂降りの状態が続く。
 これでは、完全に雨音がBGMである。
 雨音だけでなく、野外なので、ときどき鳥のさえずりや工事現場の人の掛け声などが響いてくる。
 土砂降りの中、富士山のふもとにある野外劇場で、3000人近い聴衆が黙ってピアノの演奏を聴いている・・・。
 しかも、1曲目が「月光ソナタ」、2曲目がドビュッシーの「月の光」、その次が同じくドビュッシーの「映像 第1集」という選曲なので、昼だというのに薄暗い会場は、何やら幻想的な雰囲気に包まれる。
 眠気のせいもあって、「これは夢の中なのではないか?」という錯覚に陥ってしまいそうな、シュールなコンサートである。
 さて、休憩後は一変し、ショパンのスケルツォ全曲。
 これは目の覚めるような曲ばかりだが、依然として雨音のBGMは弱まる気配がない(ここで「雨音はショパンの調べ」という言葉が浮かんでくるのは、おそらくアラフィフ以上の世代の人である。)。
 最後は辻井さんの肉声まで聴くことができ、なかなか貴重な経験であった。
 ・・・天気さえよければ、山に登れたのだが・・・。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする