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Don't Kill the Earth

地球環境を愛する平凡な一市民が、つれづれなるままに環境問題や日常生活のあれやこれやを綴ったブログです

グラつく

2022年12月20日 06時30分37秒 | Weblog
東京バレエ団「くるみ割り人形」全2幕

 バレエを観ているとき、最も緊張する瞬間がある。
 それは、「くるみ割り人形」の「アンダンテ マエストーソ」でのリフトの瞬間である(吉田都 バーミンガム・ロイヤル・バレエ くるみ割り人形 パ・ド・ド。おそらくピーター・ライト版)。
 これは、素人目で観てもこの演目最大の難所であり、ヌレイエフ版などはダンサーの能力を極限まで試すようなコリオに見える。
 しかも、私は、オペラやバレエを観るときは、舞台上の人物に感情移入するタイプの人間なので、このパ・ド・ドゥが始まると、一年のうち最も私の心臓がバクバクしてしまうのである。
 今年は、まず東京バレエ団の「くるみ割り人形」を観たのだが、「アンダンテ マエストーソ」の冒頭で、バレリーナの方が、おそらく緊張の余り、グラつく場面があった。
 既にこの時点で私の心臓がバクバクし始める。
 だが、その後はおおむねスムーズな動きとなり、最後は安堵することができた。
 ところが、こういう”グラつく”動きを逆手にとるダンサーもいる。
 オペラ座のドロテ・ジルベールである。
 「ル・グラン・ガラ2019」のライモンダでは、つま先立ちの状態で彼女がグラグラし出したので、観客がざわつき始めたところ、彼女はニヤリと笑って、そのまま数秒間”グラグラ”を続けた。
 つまり、これはおそらく、わざとグラつくことによって、観客を動揺させようとしたのである。
 私は、この人はおそらく心臓に毛が生えているのではないかと思う。
 なので、その翌年の来日公演で彼女が「ジゼル」(心臓が弱い女性)を演じたときは、何だか嘘くさいと思ってしまったのである。
 
コメント
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