Don't Kill the Earth

地球環境を愛する平凡な一市民が、つれづれなるままに環境問題や日常生活のあれやこれやを綴ったブログです

カタログ化される人間

2022年12月19日 06時30分38秒 | Weblog
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト ドン・ジョヴァンニ
 「近代人の考える個性、一人ひとりが唯一無二の存在であるという個人主義の根本を否定する毒。この物語では、恋人ですら交換可能なのだ。」(公演パンフレットp18~21「ダ・ポンテ三部作の3つの自由と4つの毒」辻 昌宏)。

 「コジ・ファン・トッテ」についての解説だが、「ドン・ジョヴァンニ」についても妥当する。
 つまり、ドン・ジョヴァンニが問題なのは、「唯一無二の存在」を否定するからなのだ。

オペラ対訳ライブラリー モーツァルト ドン・ジョヴァンニ 小瀬村幸子 訳/海老澤敏、髙崎保男 協力
 レポレッロ「まあまあ、お諦めなさいまし、
 あなたはないし、
 なかったし、またないでしょう、
 最初のご婦人でも、最後のご婦人でも、御覧なさいまし、・・・


といって、カタログの歌が始まる。
 ドン・ジョヴァンニは、ある意味、近代個人主義へのアンチテーゼなのであるが、現在の日本にも、”カタログ化”の動きはみられる。
 それは、例えば、我々が毎日否応なく接している新型コロナウイルス関連の報道をみても分かる。
 テレビでは、速報テロップ付きで「今日のコロナ感染者は1万〇千△百◇十✕人です」などという報道がなされるが、これとドン・ジョヴァンニの「カタログ」とは、大差ないように思えるのである。

 
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする