Don't Kill the Earth

地球環境を愛する平凡な一市民が、つれづれなるままに環境問題や日常生活のあれやこれやを綴ったブログです

25年前(6)

2022年12月12日 06時30分51秒 | Weblog
「本当のテーマはバブル崩壊に翻弄される団塊世代への挽歌だったと思います」失楽園 あき240さんの映画レビュー(感想・評価)
 「経済紙にこのような内容の小説が掲載されるのは異例のことでした
 しかし、それから25年も経ち本作を観てみると、成る程、この小説は日経新聞に掲載されて当然であると、むしろ日経新聞にこそ掲載されなければならないと思いました

 「本作の本当のテーマはバブル崩壊に翻弄される団塊世代の挽歌だったと思います
 主人公の久木は劇中で1946年生まれの50歳だと分かります
 正に団塊世代です
 不良債権問題が大きな社会問題として取り上げられ始めていました
 バブルのような好景気は過去になり、同じように頑張っていても、それ以上に頑張っても業績はどんどん降下していったのです
 エース級の人達も業績不振で左遷されていき、仕事ができる奴のリストの上から順にどんどんすり潰されていったのです
 左遷されなくても、身体を壊すか、心を病むかして行ったのです


 観ていない映画について語るのは気が引けるのだが、上に引用したレビューを読むだけで、私などは「もうお腹いっぱい!」という気分になる。
 「失楽園」は、”バブル崩壊に翻弄される団塊世代の挽歌”だったのである。
 そういえば、当時、大企業では55歳定年制を採用しているところも多く、50歳になる前に子会社等へ出向・転籍させるところもあった。
 ジュンちゃん(あるいは森田監督?)は、主人公の久木を50歳に設定して、彼が楽園(カイシャと家庭)を喪失し、愛欲に溺れ死に赴くさまを描いたわけだ。
 さて、このレビューを読んで、私は、これは単なる不倫小説・映画ではないのかもしれないと思うようになった。
 例えば、この小説・映画から、凛子という存在(”ファンタジー”の要素)を取り去ったとすれば、どうなるだろうか?
 つまり、(不倫の末の)心中(Double Suicide)を、自殺(Sucide)に置き換えるのである。
 すると、そこには、当時まさに現実のものとなりつつあった、悪夢のような世界が出現するのである。
 
 
コメント
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