「ウクライナ国立バレエ」戦禍の中で来日公演 背景に…“日本人初”芸術監督の奮闘(2022年12月19日
今夏までは「キエフ・バレエ」だったが、今冬は「ウクライナ国立バレエ」としての公演で、演目は「ドン・キホーテ」である。
例年、「くるみ割り人形」を上演しているのだが、ウクライナ当局から「チャイコフスキーの音楽を使用するバレエはダメ」というお達しがあったそうで、この演目が選ばれた。
このバレエ団の”顔”とも言うべきアンナ・ムロムツェワさんが参加できなくなったのは残念であるが、彼女いわく、
「私は、幸運なことにハンガリー国立バレエへ入団することができました。長い伝統がありクラシックを大切にするカンパニーです。ハンガリー国立バレエの一員として入団直後にカンパニーを離れることができず、この冬、日本へ行く事が叶いません。」
ということなので、やむを得ない(転職直後で休みがとれない労働者のような立場だろう。)。
さて、公演開始の直前、3人の関係者と思われる人物やってきて、1席空けて私の隣に陣取った。
見ると、真ん中の方はどう見ても寺田芸術監督で、隣のウクライナ人女性(誰か分からなかった)としきりに話している。
芸術監督が客席で観るというのは普通のことなのだが、こんなに近くなのは初めてである。
オーケストラの皆さんは久々の海外公演だと思われるが、オーケストラ・ピットを見ると、皆さんにこやかで非常にリラックスしている。
日本の”平和”を堪能しているのかもしれない。
演目がそうさせるのかもしれないが、ダンサーもみな笑顔で、バジル役のニキータ・スハルホフさんに至ってはほぼ終始ニコニコしているような状況である。
ムロムツェワさんの代わりにキトリ/ドルネシア姫役を務めるイローナ・クラフチェンコさんは初来日だが、お人形さんのようなダンサーで、グラン・フェッテを軽々と決めて喝采を浴びる。
いかにも平和な演目だが、「日常の幸福」というもののありがたさをしみじみと感じた一日であった。
今夏までは「キエフ・バレエ」だったが、今冬は「ウクライナ国立バレエ」としての公演で、演目は「ドン・キホーテ」である。
例年、「くるみ割り人形」を上演しているのだが、ウクライナ当局から「チャイコフスキーの音楽を使用するバレエはダメ」というお達しがあったそうで、この演目が選ばれた。
このバレエ団の”顔”とも言うべきアンナ・ムロムツェワさんが参加できなくなったのは残念であるが、彼女いわく、
「私は、幸運なことにハンガリー国立バレエへ入団することができました。長い伝統がありクラシックを大切にするカンパニーです。ハンガリー国立バレエの一員として入団直後にカンパニーを離れることができず、この冬、日本へ行く事が叶いません。」
ということなので、やむを得ない(転職直後で休みがとれない労働者のような立場だろう。)。
さて、公演開始の直前、3人の関係者と思われる人物やってきて、1席空けて私の隣に陣取った。
見ると、真ん中の方はどう見ても寺田芸術監督で、隣のウクライナ人女性(誰か分からなかった)としきりに話している。
芸術監督が客席で観るというのは普通のことなのだが、こんなに近くなのは初めてである。
オーケストラの皆さんは久々の海外公演だと思われるが、オーケストラ・ピットを見ると、皆さんにこやかで非常にリラックスしている。
日本の”平和”を堪能しているのかもしれない。
演目がそうさせるのかもしれないが、ダンサーもみな笑顔で、バジル役のニキータ・スハルホフさんに至ってはほぼ終始ニコニコしているような状況である。
ムロムツェワさんの代わりにキトリ/ドルネシア姫役を務めるイローナ・クラフチェンコさんは初来日だが、お人形さんのようなダンサーで、グラン・フェッテを軽々と決めて喝采を浴びる。
いかにも平和な演目だが、「日常の幸福」というもののありがたさをしみじみと感じた一日であった。