仲道郁代 ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ全曲演奏会第Ⅱ期 第3回 〈テンペスト~飛翔する幻想〉
「※【11/18更新】出演者の希望により、当初より曲順を変更し、休憩を2回といたします。よって、終演予定時刻は16:10となります。予めご了承ください。
ソナタ第6番 ヘ長調 op.10-2
ソナタ第17番 ニ短調 op.31-2「テンペスト」
――― 休憩 ―――
ソナタ第22番 ヘ長調 op.54
ソナタ第23番 ヘ短調 op.57「熱情」
――― 休憩 ―――
ソナタ第28番 イ長調 op.101」
曲順変更の理由は明快である。
仲道さんの説明によれば、ソナタ6番1楽章の主題が「問い」であるのに対し、ソナタ28番の主題は、「テンペスト」や「熱情」を経た後における「答え」だからである。
さて、個人的に面白かったのは、「テンペスト」に関するパンフレットの解説である。
「この作品のタイトルは、弟子のアントン・シントラ―がベートーヴェンに曲の解釈について尋ねた際「シェイクスピアのテンペストを読め」と言われたとされることに由来しているが、シントラ―のベートーヴェンに関する証言はほとんど虚偽であることが判明しており、このベートーヴェンの言葉も本当にあったものなのか、かなり疑わしい。」
シントラ―には虚言癖があったというが、意外にも、仲道さんはシントラ―の証言の信用性を肯定する。
その決め手は、同じ時期にベートーヴェンが書いた、かの有名な「ハイリゲンシュタットの遺書」の内容にあった。
ベートーベンの苦悩とハイリゲンシュタットの遺書!遺書全文を紹介!
「お前たち、弟のカール、そしてヨハンよ。私が死んで、シュミット教授がまだ生きていたならば、彼に私の診断書を書いてもらうように頼んで欲しい。そしてその診断書をこの私の手紙に添えてほしい。できるだけ多くの人が私の死後、私と仲直りできるように。
それと同時にお前達には、わずかながら私の財産を残したい。これを財産と呼んでよいのであればだが・・。二人で正直にそれを分け合ってほしい。互いに仲良く助け合ってほしい。お前たちには、自分達が私になにをしたのか分かっていると思うが、私はもうそれを許している。」
弟たちに虐待された病身(難聴)の兄:ベートヴェンは、弟アントーニオによってミラノ大公の地位を追われた老いさらばえたプロスペローに対応しており、いずれも最後は弟(たち)を「許す」という内容になっているのである。
ソナタ第17番=「テンペスト」という説は一応信用してよいようだ。
「※【11/18更新】出演者の希望により、当初より曲順を変更し、休憩を2回といたします。よって、終演予定時刻は16:10となります。予めご了承ください。
ソナタ第6番 ヘ長調 op.10-2
ソナタ第17番 ニ短調 op.31-2「テンペスト」
――― 休憩 ―――
ソナタ第22番 ヘ長調 op.54
ソナタ第23番 ヘ短調 op.57「熱情」
――― 休憩 ―――
ソナタ第28番 イ長調 op.101」
曲順変更の理由は明快である。
仲道さんの説明によれば、ソナタ6番1楽章の主題が「問い」であるのに対し、ソナタ28番の主題は、「テンペスト」や「熱情」を経た後における「答え」だからである。
さて、個人的に面白かったのは、「テンペスト」に関するパンフレットの解説である。
「この作品のタイトルは、弟子のアントン・シントラ―がベートーヴェンに曲の解釈について尋ねた際「シェイクスピアのテンペストを読め」と言われたとされることに由来しているが、シントラ―のベートーヴェンに関する証言はほとんど虚偽であることが判明しており、このベートーヴェンの言葉も本当にあったものなのか、かなり疑わしい。」
シントラ―には虚言癖があったというが、意外にも、仲道さんはシントラ―の証言の信用性を肯定する。
その決め手は、同じ時期にベートーヴェンが書いた、かの有名な「ハイリゲンシュタットの遺書」の内容にあった。
ベートーベンの苦悩とハイリゲンシュタットの遺書!遺書全文を紹介!
「お前たち、弟のカール、そしてヨハンよ。私が死んで、シュミット教授がまだ生きていたならば、彼に私の診断書を書いてもらうように頼んで欲しい。そしてその診断書をこの私の手紙に添えてほしい。できるだけ多くの人が私の死後、私と仲直りできるように。
それと同時にお前達には、わずかながら私の財産を残したい。これを財産と呼んでよいのであればだが・・。二人で正直にそれを分け合ってほしい。互いに仲良く助け合ってほしい。お前たちには、自分達が私になにをしたのか分かっていると思うが、私はもうそれを許している。」
弟たちに虐待された病身(難聴)の兄:ベートヴェンは、弟アントーニオによってミラノ大公の地位を追われた老いさらばえたプロスペローに対応しており、いずれも最後は弟(たち)を「許す」という内容になっているのである。
ソナタ第17番=「テンペスト」という説は一応信用してよいようだ。