「3日の判決で弾劾裁判所は、事件の遺族への岡口裁判官の投稿について「本人に意図はなかったものの、結果として何度も執ように遺族を傷つけることになった。SNSは発信者が想定した趣旨と全く異なって受け止められる危うさをはらんでおり、その危険性を踏まえて他者を傷つけないよう配慮すべきだった」と指摘しました。
そのうえで「遺族からの抗議を受けても反省や改善がなく長期にわたって投稿などを繰り返してきたことは、表現の自由として裁判官に許される限度を逸脱している」と述べました。」
そのうえで「遺族からの抗議を受けても反省や改善がなく長期にわたって投稿などを繰り返してきたことは、表現の自由として裁判官に許される限度を逸脱している」と述べました。」
「野間啓弁護士は「それぞれの行為に関する動機や目的についてはかなり丁寧に認定し、われわれの主張をほぼ全面的に採用している。それにもかかわらずなぜ『著しい非行』にあたるのか、論理が何もない結論になっている。国会議員が感情にひっぱられたのではないか」と批判しました。」
まだ判決文を読んでいないので確かなことは言えないところだが、「裁判官としての威信を著しく失うべき非行 」に当たり得るのは「洗脳」投稿だと思われるところ、そこから「罷免」という重い処分に至る筋道が全く見えない。
いずれにせよ、今回の判決が、今後、裁判官の市民的自由に対する萎縮効果をもたらすことは間違いないだろう。
こういう状況で、裁判官が自分の考えを外部に発信するのは難しいからである。
また、この件が、個別の事件に対する政治部門からの圧力を助長しないかという懸念も生じてくる。
例えば、政治がらみの事件について、一方当事者の背後にいる政治家が、「あの裁判官は宜しくない。ひょっとすると、私の支持者が弾劾の申立てをするかもしれない」などと事務総局あたりに圧力を掛けてきたらどうなるだろう?
事務総局は、組織防衛のため当該裁判官を異動させるなどの措置をとるかもしれない。
そうなると、もはや司法権の独立は危うい(というか、既にそうなのかもしれないが。)。
そういう意味で、今回の判決は、裁判所・裁判官にとって、暗黒時代への突入を告げるものなのかもしれないと思うのである。