また、バッハについてよく言われるのが、「聴くと眠くなる」ということである。
私見では、これには大きく言うと2つの理由があると思う。
1つ目は、「理解出来ない/難解だ」ということである。
例えば、あくまで私見だが、「平均律」や「フーガの技法」などがその典型だと思う。
人間には、理解出来ない/難解な対象にぶつかると、寝てしまうという自己防衛機能が備わっているようで、私も、無旋律音楽を聴くと眠くなる(「子守歌」としての無旋律音楽)。
バッハの作品は、あのモーツァルトでさえ消化するのに6年を要したくらいだから、本格的な音楽教育を受けていない人の場合、バッハを聴いているうちに寝てしまうのも不思議ではないだろう。
2つ目は、舞踊音楽の中に「テンポがゆるい」曲が混じっていることである。
明るいアップテンポの曲の後に、暗いスローテンポの曲が来ると、どうしても緊張がゆるみ、眠くなってしまうように思われる(眠くならないバッハ)。
どうやら、「サラバンド」は眠りを誘う舞曲のような気がする。
◆ J.S.バッハ:
・フランス風序曲 BWV831
・平均律クラヴィア曲集第1巻より
第4番 嬰ハ短調、第14番 嬰ヘ短調、第19番 イ長調
・フランス組曲第2番 BWV813
・平均律クラヴィア曲集第1巻より
第15番 ト長調、第16番 ト短調
・イギリス組曲第5番 BWV810
■ アンコール曲
・ジョン・ブル :Myself
・フランス風序曲 BWV831
・平均律クラヴィア曲集第1巻より
第4番 嬰ハ短調、第14番 嬰ヘ短調、第19番 イ長調
・フランス組曲第2番 BWV813
・平均律クラヴィア曲集第1巻より
第15番 ト長調、第16番 ト短調
・イギリス組曲第5番 BWV810
■ アンコール曲
・ジョン・ブル :Myself
比較的ドラマチックな「イギリス組曲第5番」ですら、4曲目のサラバンドは物憂げで、これが5分くらい続くとさすがに眠くなる人もいるだろう。
こういうことを言っていると、ハンス・フォン・ビューローからこんなお叱りを受けるかもしれない。
「バッハが分かるには、貴方はまだ若すぎます」