パンセ(みたいなものを目指して)

好きなものはモーツァルト、ブルックナーとポール・マッカートニー、ヘッセ、サッカー。あとは面倒くさいことを考えること

音楽の感じ方の変化

2007年08月08日 22時19分23秒 | Weblog
音楽はその時々の感じ方があるようだ
(小説でもそうだけれど)
ベートーヴェンの第5番の交響曲
なかなかCDを引っ張りだして聴こうという気にはなれないが
NHK FMでやっているのを聞いたりすると(昨日ティーレマンのをやっていた)
自分の、その感じ方の以前との違いに驚きを感じてしまう

若いうちは感情の爆発、それこそ苦悩から歓喜にいたるドラマティックな過程が
その曲の全てみたいで、自らも興奮して聞いていたようだ

ところが最近は有名な運命のモチーフを発展させて
一大建造物を作り上げた職人的な腕前にひどく感心してしまっている
そして音楽史的にこの曲が、動機の徹底的は展開が革命的であるのを
確かにその当時、初めてこの曲を聴いた人たちはびっくりしただろう
などとも思ったりしている

演奏自体も時代の変化を写し出している
ロマン主義的なストーリー性のあるものから
即物的に構造的にはっきり現したもの
過度な思い入れから離れたすっきりしたものなど
しかし、それでもこの曲が革命的な事は疑いえない

ところが自分はこの曲が好きかと言えば
直ぐさまイエスとは答えにくい
やっぱり押し付けがましいところがあるように思えて
(聞いてみるとそうではないのだけれど、
 聞く前は何故だかそんな風に思ってしまう)
少しひいてしまう

ある人が言っていたが
イージーリスニングとしてクラシック音楽を流していると
ある人にはバッハは精密すぎて、
モーツァルトは感情的すぎて、
ベートーヴェンは押し付けがましくて
気楽に聞き流す事ができないのだそうだ
確かに知っている曲が流れていると
ついつい追ってしまって、聞き流すというより聞き込んでしまうので
気楽に味わうわけにはいかなくなってしまうかもしれない
もっとも、最近の自分は根をつめて
音楽に対面する事ができなくなってしまっているけれど!







コメント
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