パンセ(みたいなものを目指して)

好きなものはモーツァルト、ブルックナーとポール・マッカートニー、ヘッセ、サッカー。あとは面倒くさいことを考えること

七夕

2020年07月07日 16時47分50秒 | 子どもたちのこと

新城市も一部崖崩れが起きている今回の雨
地球規模で世界が変わりつつあるのを実感する
天の神様の采配を少しばかり緩めてもらいたいものだ

火曜日は外国をルーツにもつ低学年(1.2年)の子の勉強の手伝い
担当してる彼の日本語の能力はとても心配だ
接している時に感じる日本語の能力で、毎日の授業ができているとは思えない
普通の日本人の子どもなら、当たり前のように吸収していくいろんなことが
分かっているとは思えない
仕方ない、まずは初歩から、、とにかく会話をしようと今日も始めた

先週のおさらい、上の反対は下、右の反対は左、前の反対は後ろ
今日は7日の火曜日  このあたりはまだいい
だが、昨日は?と聞くといきなり頭を抱えてしまう
月曜日、、とは答えられるが、6日(むいか)とは答えられない
そうか、日の数え方は彼らには難しい、、
でも考えてみると、なんでこんなにいい方が変わるのか確かに不思議だ

そうした復習のあと、今日は買い物に行く場面を設定した
「君の好きなジュースは150円
 ここに100円硬化がふたつ、10円硬貨が5つあるとしたら
 君は自販機にどれをどれだけ入れるかな?」(自販機の絵を描いた)
これは簡単に、一枚の100円硬貨と10円硬貨を5つと答えた
「今度は難しいよ、今100円硬貨が2つしかないとしたらどうするかな?」
少し困った顔をしたが、ちょいと意外な答えを考え出した
「ピアゴでは、近くに、、ええと、、ええと、、」
両替をしてくれる人がいるので替えてもらう
と言いたいらしい
「よく気がついた、偉い!でも近くに誰もいないとしたらどうするかな?」
「ええと、2つ入れて、ボタンを押して、、」
「それでジュースを持って帰っていいのかな?
 それだとお母さんに怒られないかな?」
ここからが難しい、、お釣りの概念がわからない、、
なんとかして、そういうものだ、、と分かってもらおうとしたが
難しいようだ
でも彼は必死に何かを伝えようとした
死んだおじいちゃんが80円くらいなモノをかった時、100円硬貨を入れた
とか
太鼓の達人は1人100円で、二人の場合は200円で、5人では500円ではなくて
5人ではできないとか必死になって説明しようとした
こちらは太鼓の達人のシステムがどうなっているのかわからないが、
彼ががちゃんと説明できるか我慢して聞いた

こういう時、彼は必死に言葉を探している
なんとか分かってもらおうとしている
ピント外れなことも多いようだ
でも必死になって頭をフル回転している

そんなことをしていると小学生2年には長いと思われる時間が過ぎた
「すごい、Aくん、今日は集中してできたね」
普段は疲れたりサボりたい様子が見えるが今日はそんなことはなかった

今日は七夕ということで、このボランティアの主催者が七夕の短冊を持ってきて
「なにか願い事を書いてごらん!」と告げる
願い事?
どうもそれがわからないようだ
「だったら欲しいものを書いてごらん!欲しいものは何かな?」
「鬼滅の刃の本がほしい」
「だったら、そう書いてみな!右の方から書くんだよ」

彼は言われたとおり書いた
「きめつのやいば」が「きみつのやいば」と書いてあったが
彼らには難しいのだろうな、、
短冊をカーテンレールの飾って、さて今日の行事も終わり、、
そう思った時、彼は「もう一枚書きたい」と言った
「いいよ、書いてごらん」
短冊を手にした彼は、今度は悩むことなくすぐさま書き始めた
「これ!」
彼が見せてくれた短冊には
「きょうは しゅくだいができて うれしかった A」

こういう瞬間がたまらない
今日は宿題をしたわけでなかった
でも彼は充実した時間を感じたのだと思う
人の気持ってのは通じるものだ、、
天気の冴えない七夕だが、自分にとってはとても良い七夕だった

コメント
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