松田優作と藤谷美和子が主演
淡々と進行するなかに、畳を歩く音、風鈴、着物の擦れる音
そして何かを暗示する表情
森田芳光監督の映画「それから」
多分劇場でしか集中力が続かない
明るい日常のなかでテレビ画面では
とてもその世界には入っていけない
しかし一旦入ったとなると
奇妙な電車の中の花火のシーンも心象風景として
違和感がない
そして音楽が素晴らしい
映画は最初のシーンでその出来が予想できるが
藤谷美和子の演ずる三千代の顔が 冒頭 数秒間
ぼんやりと現れぼんやりと消えていく
このワンシーンでその世界へ入っていける
想像力、自分の持っている想像力を喚起するような
そういった作品だ好きだ
何もかも親切にわかりやすく、飽きずに見られるものよりは
一生の中何度も経験はできないかもしれないが
集中して見ると言う映画は貴重だと思ったりする