パンセ(みたいなものを目指して)

好きなものはモーツァルト、ブルックナーとポール・マッカートニー、ヘッセ、サッカー。あとは面倒くさいことを考えること

負けず嫌い(負けて泣くこと)

2023年10月21日 09時36分41秒 | 徒然なるままに

勝負ごとを職業にする人の必須条件は「負けず嫌い」だそうだ
将棋の全タイトルを独占している藤井聡太さんも
小さな時から(小さい頃だからこそ)負けず嫌いで
先日の特番では、指導将棋で幼い藤井少年と戦った谷川浩司さんが
負かすのは可哀想と思い「引き分けに持っていこうか?」
と提案したところ彼は盤上顔を伏せて大泣きしたのだそうだ

また、少し前のタイトル戦では「藤井7冠を泣かした男」
と紹介された棋士がいた
それは小学校3年(だったかな)の試合で、同学年の彼が
藤井少年に勝ち、藤井少年は会場全体に聞こえるほどの
大声で泣いたというエピソードがあったことから来ている

負けず嫌いは多分どの子どもにある
そして負けると泣くという行為をみんなする
負けて泣くというのは強くなるキッカケにもなるので
自分が小学生のサッカーコーチをしていた時
同じようにコーチをしていた大人たちとの共通の望みは
「負けて泣く子を見たい」だった

負けて悔しくて泣けて泣けて仕方ない
そんな姿を見れば大人でも心が揺さぶられる
これは一度経験したことがある(覚えているのはこれだけ)
今は地元の小学校の6年担任になっているサッカー狂いのMが
豊橋まで出かけてトーナメント戦を行った時
点数が忘れたが試合には負けたのだが
試合後彼は座り込んで涙を流していた
そしてその場から動こうとしなかった

負けて悔しいのは一生懸命やったからだと思う
軽い気持ちで臨んだのなら負けてもエヘラエヘラしていられただろうが
懸命に戦ったにも報われなかったという現実は受け入れがたく
ストレートに感情が溢れてしまったのだろう
(こちらもうるっと来そうになった)

一般的に練習より試合が大好きな子どもたちだが
彼らの多くは負けてもあっけらかんとしていることが多かった
試合の反省などは眼中になく、試合の記憶もあっという間に
どこかに行ってしまうことが多かった
だからこそ大人のコーチは「負けて泣く子を見たい」という気持ちになったのだ

負けず嫌いを自認していたのはピクシーことストイコビッチだった
彼は練習中の何にでも勝ちたいという性格で
少し大人げない、、と同僚が口にするほどだったようだ
それに対してストイコビッチは勝負師にはこういう性格が必要!
と開き直っていたそうだ

それにしても、負けて泣いて、それを笑顔で見守られている環境
それが社会のいたるところにあるならば
世の中は少しは良いものになっていく気がする


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